教育の現在 ―子ども・教育・学校をみつめなおす―

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紺野 祐・走井洋一・小池孝範・清多英羽・奥井現理 著

「日本教育新聞」 2008年10月6日 20面

改革の動向踏まえ将来展望

本書は、教育課程に組み込まれている「教育原理」などの科目のテキストとして、大学や短期大学、専門学校などの授業で使われることを想定して書かれている。現在の教育課程を基に、教育と学校の過去を反照し、それらの将来について考えることが目的だ。

第5章「教育改革の動向と背景」では、自ら育っていく能力を持った子どもに対し、現在の学校教育がどのような役割や意義を持っているかを、教育改革の動向を振り返りながら検討している。「生きる力」や「確かな学力」などの概念を、平成10・11年の学習指導要領改訂の内容などを引用しながら説明。キャリア教育については、勤労観や職業観といった個人の心情面にまで踏み込んだ「キャリア」の定義などにも触れている。

第10章「子ども・教師・教育的関係」では、教育という営みについて検討。ここではデューイが「コペルニクス的転回」と呼んだ、教育の中心を子ども以外のところから子どもへと転換しようとする教育観にも触れ、現在は「うちからひきだす」教育観が全面に出ていることを説明している。

このほか、巻末には「教員のいま」を掲載。「指導力不足の教員」や「モンスターペアレント」などの説明があり、教員を目指す人たちには看過できない教員の生の現状も知ることができる。

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