【底本】
『権田保之助著作集』 全4巻(文和書房 昭和49・50年)
【各巻内容】
第一巻
解説 仲村祥一
民衆娯楽問題(1921[大正10]年)
第一編 民衆娯楽の考察
民衆娯楽の発達/民衆娯楽政策上の理想論を排す/
活動写真問題の考察に於ける二大錯誤/民衆教育の根拠と其向上/
文芸の官営
第二編 民衆娯楽の調査
第一部 活動写真に関する調査及び観察
活動写真興行の実際的方面/活動写真と児童/活動写真の統計的考察
第二部 寄席に関する調査及び観察
寄席興行調査/寄席興行の統計的考察/寄席興行一般
第三編 民衆娯楽の情況
堀に灯が映る/吉備団子とすき焼/ポスターの衢/
『浅草』を中心として
大衆娯楽の統計調査報告と、大阪、岡山、神戸、浅草の印象比較論。浅草の魅力を語る『ポスターの衢(まち)』は必読。
民衆娯楽の基調(1922[大正11]年)
第一章 民衆娯楽問題の位置
創作されし民衆娯楽問題/民衆娯楽問題の輪廓/
論壇に於ける民衆娯楽問題
第二章 新しき民衆娯楽の誕生
近世民衆娯楽誕生の素地/近世民衆娯楽創造の気運/
近世民衆娯楽の基調/民衆芸術論の提唱
第三章 新しき農村の娯楽問題
第四章 民衆生活と娯楽
人間生活と娯楽/現代生活と民衆娯楽/民衆娯楽と女性/
民衆娯楽と青年/活動写真と児童
観念的な「政策としての民衆娯楽」の前に「事実としての民衆娯楽」への着目を説き、知識層への批判を滲ませた論文集。
第二巻
解説 井上俊
娯楽業者の群(1923[大正12]年)
水商売・客商売の女 芸人の社界 遊芸の師匠 大道芸人 民間信仰
娯楽業の末端で生活を立てる者たちの人生観や信仰にも踏み込んだルポルタージュ。戦前社会の一面の貴重な報告集。
民衆娯楽論(1931[昭和6]年)
第一編 社会生活と民衆娯楽
社会生活と娯楽/震災時に現われたる娯楽の諸形相/小論二箇
第二編 民衆娯楽状況
民衆娯楽の発達とその帰趨/都市民衆娯楽の消長と推移
第三編 民衆娯楽対策
近代都市娯楽とその社会的施設及対策/都市娯楽としての映画興行への
社会対策/教育映画運動とその社会的展開/児童映画デーの問題/
公営児童映画館の建設
権田の娯楽観を示した代表作。都市生活の断面を鮮やかに描いた『所謂「モダン」生活と娯楽』は現在でも新鮮。
第三巻
解説 津金沢聡広
国民娯楽の問題(1941[昭和16]年)
序篇 民衆娯楽の崩壊と国民娯楽への準備
第一篇 事変勃発と娯楽の位置
第二篇 娯楽政策の根拠と要請
第三篇 銃後国民生活と国民娯楽の提唱
第四篇 国民娯楽的施策の方向
第五篇 国民娯楽の完成と娯楽人
大正デモクラシーと共に育った「民衆娯楽」は、国家主義の台頭のなかで変質していった。「民衆娯楽」を「国民娯楽」としてとらえ直し、指針を示そうとした苦闘の軌跡。
娯楽教育の研究(1943[昭和18]年)
第一章 新しき国民生活に於ける娯楽の地位
第二章 旧き娯楽観念の倒壊と新しき娯楽理念の成立
第三章 娯楽教育問題の史的展開
第四章 娯楽教育施策の現段階
第五章 娯楽教育施設状況
早くから映画と児童の関わりを調査するなど娯楽と教育は権田の研究対象であった。戦前文化政策の貴重な資料。
第四巻
解説 田村紀雄
主要論文
(1917[大正6]〜1944[昭和19])
『おもちゃ絵』に就いて/民衆の文化か、民衆の為めの文化か/
民衆の娯楽生活に現れたる国民性情/新島の盆踊/
資本主義社会と流行/銀ぶらと道ぶら・三都情趣/民衆娯楽/
青年娯楽の推移と現代青年娯楽の特徴/芸術に於ける真/
生活逃避の哲学より生活中心の哲学へ/映画説明の進化と
説明芸術の誕生/復興の都を眺めて/『隣のラジオ』は
社会問題ではない/映画検閲の問題/活動写真法の制定へ/
家庭に於ける娯楽/現代の娯楽に現われた時代相/
娯楽地『浅草』の研究/一九三〇年の回顧『映画』/
農村娯楽問題考察の基底/労働者娯楽論/青年娯楽とラジオ/
学生娯楽問題/流行歌の商品性と文化の問題/
映画批評ということ/学生娯楽問題に関する調査/国語と民衆芸術/
厚生運動一般映画鑑賞指導/「国民文化」理念の昂揚と文化問題の展進
著書・著作一覧 略歴
著作集のため編纂された論文集。テーマと方法論、時代による変化が一望できる、権田保之助入門ともいえる一冊。
【解説】 大泉 溥 (日本福祉大学教授)
全6巻・A5判・上製・総2,900頁
定価89,250円(本体85,000円+税)
ISBN978-4-284-10193-6
2009年11月
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【底本および各巻内容】
第1巻
『師範学校教科用書 心理綱要』 明治26年、普及舎
高島の処女作で、日本の心理学の新時代を切り拓いた代表的著書。当時の欧米心理学会の最新動向を踏まえた上で独自の視点から、書きまとめている。
〈主要目次〉
総論/知性(覚性・観念ノ再生・悟性)/感性(感覚的感応・観念的感情)/意性
『心理漫筆』 明治31年、開発社
日常経験における心理学の応用を、教師や父母たちに向けて分かりやすく説いた啓蒙書。冒頭に掲載している「我国の心理学史」は、日本心理学の黎明期における史的記録としても記録。
〈主要目次〉
我国の心理学史/精神現象の区分/社会心理学/死/動物心理/戦争と発狂と/夢/心身の相関の例/仏/刺激と容貌との関係/女性の心理/途上の心理研究/板垣伯の三戒
第2巻
『新撰教育学講義』 明治34年、帝国通信講習会
小学校教員および教員を志す者を対象に、教育の原理や方法・目的を述べたもの。「人の教育に適する所以」や「被教育者の身体」など興味深いテーマが並ぶ。
〈主要目次〉
教育の定義/人の教育に適する所以/教育の限界/教育学は如何なる科学か/被教育者の身体/被教育者の精神/目的論/方法論(上)(下)
『女子新教育学』 明治37年、訂正再版、啓成社
中等教育を受ける女子および一般家庭の女性たちが、教育学における学説を得て、実地における児童の教育に役立てることを目的とした。
〈主要目次〉
緒論/心のさま(心・記憶及びその教育ほか)/家庭の教育(家庭の教育者・心育ほか)/幼稚園の教育/学校の教育
第3巻
『体育原理』 明治41年、第4版、育英舎
身体教育と精神教育の関係性を重視し、生理・解剖・衛生のみならず、倫理・心理・教育・社会・生物学等の基礎知識を踏まえた研究を提唱。体育に対する新しい認識を示したものとして高く評価された。
〈主要目次〉緒論(体育ノ必要・生活現象・身体ノ発育・心身相関論ほか)/本論(体育ノ範囲・運動教授論・学校衛生・性育論ほか)/体育史(体育ノ起源・ヤーンノ事業・我邦ニ於ケル体育ノ変遷ほか)
第4巻
『児童心理講話』 明治44年、第15版、広文堂書店
児童研究においてはじめて公にした書で、高島の名を全国津々浦々に広めた。児童研究の学術書としてよりはむしろ、親や教師が子どもを理解するための参考書として出版。
〈主要目次〉児童心理と教育との関係(上)(下)/胎児期及び嬰児期(胎児の心・嬰児の感覚ほか)/幼児前期(自発活動・愛情ほか)/幼児後期及び少年期(好奇心の発動・残忍性の発現ほか)/青年期(発情期的発達・青年指導の注意ほか)
第5巻
『婦人の為めに』〈大正名著文庫31〉 大正7年、再版、至誠堂書店
明治以降の女性たちの関心の広がりに応えるため、心理問題をはじめ社会・教育等に関する談話筆記をまとめた、いわば啓発の書。
〈主要目次〉婦人と心理(笑の話・姑の心理ほか)/婦人と社会(婦人十訓・家庭の趣味ほか)/婦人と教育(家庭教育の基礎・夢の教育ほか)
第6巻
『心理学綱要』 大正15年、再版、広文堂
旧著『教育的心理学』を大幅に改稿し、心理学の基礎から応用までの概念を得られるようまとめる。図解も豊富で、各章末には題目を掲げ、考察・まとめに役立つよう構成。
〈主要目次〉緒論(定義及び略史・精神作用の生理的基礎)/感覚階級(感覚・感情概説・意志概説)/表象階級(知覚・表象及び記憶・情緒)/思想階級(思想作用・情操)
解説・年譜(大泉 溥)
【底本】
『正木ひろし著作集』 全6巻 (昭和58年 三省堂)
【各巻内容】
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