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大森弘喜 著

A5判・上製・624頁
定価(本体9,200円+税)

ISBN978-4-284-10413-5
2014年5月

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19世紀半ば、「世界一美しく衛生的な首都」に変貌したパリの実態とは――

現代日本人の主たる関心の1つは「健康」であるが、1世紀前のヨーロッパでは、疫病への反応として「衛生」が社会の関心事であった。本書では、19世紀フランスの都市住環境の劣悪さ、そこにおけるスラムの形成、コレラ・結核・腸チフスなどの疫病、その被害が集中した貧民街の生活環境を、パリについて観察する。また、例外的に高い死亡率を記録し続けたフランスの結核や、公衆衛生の改善と深く関連する水回り事情に関しては、とくに詳細に検討する。伝染病と貧困、インフラ整備と階級性などを広く論じる本書は、公衆衛史研究の穴を埋めるだけでなく、社会福祉・経済学・西洋思想史においても示唆に富むものとなっている。

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カール・カーザー 著
越村 勲・戸谷 浩 編訳  
A5判・上製・452頁

定価(本体6,800円+税)

ISBN978-4-284-10398-5
2013年11月

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ハプスブルク軍政国境は、16〜19世紀にオスマン帝国との境界域に築かれた防衛線である。現在のクロアチアからセルビア、ルーマニアへと延びる長大な地帯だった。本書は、その要をなしたクロアチアを中心に、これまでの軍事・政治史分析では見落とされていた社会制度、経済、文化などを詳細に分析したカール・カーザーの FREIER BAUER UND SOLDAT を、丹念に翻訳したものである。歴史家カーザーは、ラテン語、ドイツ語、クロアチア語などの膨大な史資料を駆使して、軍政国境の「農民にして兵士」に光をあてる。「アジア史」と「ヨーロッパ史」の接点として重要な地域性を詳細に分析する、社会史研究に大きな足跡を残す労作である。

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岡﨑匡史 著

A5判・上製・456頁
定価(本体5,800円+税)

ISBN978-4-284-10365-7
2012年7月

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2013年 第29回 大平正芳記念賞特別賞 受賞
2013年 国際文化表現学会学会賞 受賞

*推薦* 西 鋭夫 (スタンフォード大学フーヴァー研究所 研究教授)

占領下日本で繰り広げられた神道とキリスト教の相克を、壮大な世界観と緻密な調査で描いた大著!

マッカーサー元帥は、なぜ日本のキリスト教化に失敗したのか。昭和天皇のキリスト教への改宗はあり得たのか。「人間宣言」の本来の意図とは。「神道指令」に隠されていた意義とは。米国の対日占領政策によって「日本帝国」が平和的な民主主義国家へ変貌を遂げていく姿を明らかにし、レジーム・チェンジ(Regime Change)に関する言及を通じて、互いに違いを認めて共存することができる「人間の安全保障」のあり方を模索する。

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平木 實 著

A5判・上製・392頁
定価5,670円(本体5,400円+税)

ISBN978-4-284-10332-9
2011年10月

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日本・中国を含む東アジア史的な視点から未開拓の分野に挑んだ韓国・朝鮮社会文化史論集!

韓国・朝鮮は、日本と地理的に近く、複雑で長い結びつきをもっているにもかかわらず、その社会文化的な側面は明らかにされていない部分が少なくない。本書は、朝鮮の王朝時代のみならず、高麗時代、韓国の近現代にも目を向け、19世紀初頭まで朝鮮半島に棲息していた虎をめぐる政治、親睦儀礼である投壺、親族に対する連坐・縁坐制、宗教の影響などについて、稀有な資料に基づき考察する。

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佐藤憲行 著

A5判・上製・420頁
定価6,875円(本体6,500円+税)

ISBN978-4-284-10207-0
2009年11月

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これまで積極的には利用されてこなかった、モンゴル国立民族公文書館所蔵の一次史料を幅広く利用した、清代ハルハ・モンゴル社会の内在的理解への試み。清代ハルハ・モンゴル最大の仏教寺院フレー(現在のウランバートル市)をモンゴル人と漢人からなるハイブリッドな都市として捉え、その形成、存立基盤を伝統的生産形態である遊牧生産からではなく、清朝の統治下、漢人の活動を制限する「封禁政策」が敷かれた当時の社会背景に即して実証的に検討。封禁政策に対する理解の見直しを提起する。

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石井 章 著

A5判・上製・408頁
定価5,670円(本体5,400円+税)

ISBN978-4-284-10130-1

2008年11月

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ラテンアメリカは一般に社会経済的格差が甚だしいことで知られるが、そうした格差を生み出す要因の1つとして土地所有の不均衡が指摘される。これを是正するために、いくつかの国で農地改革が実施された。本書は、農地改革で導入されたメキシコ独特の土地制度・農村社会の一単位である「エヒード」、ペルー農村部の社会経済的・文化的特質と農地改革との関係性、1980年代の中米地域紛争の根本的な要因の1つとして農業問題など、具体的な事例を検証することを通じて、ラテンアメリカの農地改革全体の本質を分析・考察する。

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日野資純 著

A5判・並製・296頁
定価3,780円(本体3,600円+税)

ISBN978-4-284-00059-8
2007年4月

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現代の社会は、一見平和のようでも戦前への回帰や右傾化が進んでいる。戦中に空襲を受けて死に直面した著者が、戦中の思想や教育上の問題点を反省し、今後も平和憲法を基礎として個人の尊厳や言論の自由を守り抜くことの重要性を多様な実例によって訴える。

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鈴木譲二 著 

A5判・上製・280頁
定価5,040円(本体4,800円+税)

ISBN978-4-8205-4105-9
2006年4月

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日本は朝鮮を「一視同仁」の理念で統治したといわれる。ただ実態は大きく異なる。本書は豊富な第一次資料と統計資料を整理分析して、日本統治下朝鮮の実相を明らかにした、全く新しい視点で捉えた日本の朝鮮統治論である。

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山本義彦 著

A5判・上製・324頁
定価4,830円(本体4,600円+税)

ISBN978-4-8205-2153-2
2006年2月

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清沢洌(1890〜1945)は、アメリカ経験をもとに戦時下平和を願い、戦後体制を構想した稀有な自由主義者であり、教育の自由と付和雷同に流れる日本世論とジャーナリズムに対して最も厳しい批判とその克服を希求し展望した。清沢の論評は21世紀の今日にまさに有効・適切な視座を提供する。

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劉 建雲 著

A5判・上製・300頁
定価3,780円(本体3,600円+税)

ISBN978-4-8205-9338-6
2005年11月

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日清戦争後、中国に史上初の日本語学習ブームが現れた。その実態を初めて明らかにしたのが本書である。激動の国際情勢の中で、日本語学習の場となった「東文学堂」を舞台に、日中関係の時代劇が繰り広げられる。

【日本語タイトル】イスラム帝国の辺境地域の統治

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余部福三 著

A5判・上製・256頁
定価4,830円(本体4,600円+税)

ISBN978-4-8205-2000-9
2005年2月

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本書は、イスラム帝国アッバース朝辺境に定着したアラブ戦士や土着支配層の自立運動、独立に抵抗する都市民衆の運動、中央政府と地方民との緊張した関係等を分析する。諸辺境を総合的に考察し、より普遍的な世界史像を示す。

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渡辺俊一 著

A5判・上製・330頁
定価5,040円(本体4,800円+税)

ISBN978-4-8205-8894-8
2004年9月

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薩長藩閥体制が確立された「明治14年の政変」を論述し、このときの井上毅と福沢諭吉を対比させ、事件の本質を考察する。

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山路勝彦 著

A5判・上製・336頁
定価(本体4,800円+税)

ISBN978-4-8205-8000-3
2004年1月

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帝国日本の根底を支えた二つの鍵概念「無主の野蛮人」と「可愛い子ども」。台湾人自らの統治能力を否定した上で、その保護者を自認した日本人の修辞法。その「大きな物語」と、植民地官吏、「原住民」ら個々人の「小さな物語」の交錯を描く。

満州事変と重光駐華公使報告書―外務省記録「支那ノ対外政策関係雑纂『革命外交』」に寄せて―

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服部龍二 編著 

A5判・上製・230頁
定価2,940円(本体2,800円+税)

ISBN9784-8205-9477-2
2002年10月

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1931年の満州事変における国際連盟の対日批判に応じる報告書『重光葵駐華公使報告書』の全文を翻刻し、分析したもの。満州事変の起源を日中外交史の文脈で再考する手がかりを含む報告書。

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歴史人類学会 編 

A5判・上製・285頁
定価5,040円(本体4,800円+税)

ISBN978-4-8205-2671-1
1999年11月

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歴史人類学会が開催した2回のシンポジウム 「国民国家とアーカイブズ」 の記録を紙上参加も加え再現。国民国家とアーカイブズの関連をさまざまな国と地域を例に比較検討し、国民国家論と記録史料学双方の欠落部分を補う。

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箭内健次 編 

A5判・上製・300頁
定価5,670円(本体5,400円+税)

ISBN978-4-8205-1999-7
1998年7月

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貿易史・洋学史・相互認識(ヨーロッパ人の日本認識と日本人による対外観)の三つのテーマにより、国際社会の形成期における近世日本の姿を解明する。10年におよぶ対外交渉史研究の成果が結実した労作。

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土方正巳 著 

菊判・上製・500頁
定価12,600円(本体12,000円+税)

ISBN978-4-8205-5555-1
1991年11月

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浮き沈みの激しい新聞界にあって、 明治・大正・昭和の三代にわたり独特の紙面で多くの読者に愛され親しまれた 『都新聞』 の誕生から終焉までを綴る。 著者は、元都新聞文化部長・東京新聞編集局長。写真160点収録。

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