
【目次】
まえがき
Ⅰ 二一世紀に生かせる戦中の問題点
1 体験から思う、「米国追随」の危うさ
2 「玉砕」までして守るべき価値はない
3 文化庁『心のノート』は危険度高し
4 死を拒む方策、世界とともに熟考したい
5 「平和のため」という発想の奥にあるものは?
Ⅱ 戦中教育の問題点
6 「生きて虜囚の……」―『戦陣訓』の吟味―
7 「査閲」に示された権力―学校教育への軍の介入―
8 渡辺一夫氏の『敗戦日記』
9 「この戦争は神の、み心に沿わぬ」―戦中の教会での一コマ―
10 出陣する学徒へ「死ぬなよ」と教師は言った
11 写真は戦地から遂にとどかず―出征兵士からのたより―
12 軍歌によりマインド・コントロール
13 「軍艦行進曲」では、今、元気は出ない
14 敗戦体験から戦中をふりかえる
Ⅲ 歴史教育と戦後教育の問題点
15 忠実に即さぬ「日本軍」の降伏―教科書検定批判―
16 「残留孤児」を教材にしてみては?
17 戦争の痛みと歴史教科書
18 『新しい歴史教科書』批判
19 疑問の多い「教育改革推進会議」
20 重要な欠陥を含む、新学習指導要領案
21 「教育改革国民会議」の報告批判
22 国立市(東京都)の小学校を混乱させた「国旗・国歌法」
23 東京都教育委員会の起立調査に違憲の疑い
Ⅳ 自衛隊についての問題点
24 自衛隊海外派遣の根拠とした調査を公表せよ
25 外国から見れば、自衛隊は「軍隊」
26 自衛隊の本音の聞いてみたい
27 「自衛隊法改正案」に「国家秘密法(案)」の影響
Ⅴ 靖国問題
28 今だからこそ問われる靖国
29 「英霊参加」の戦争とは本末転倒
Ⅵ 平和憲法と言論の自由をめぐる問題点
30 護憲・改憲の両論者による講演会に期待したが……
31 「時代の変化」を改憲の理由にするのは疑問
32 「不戦決議」は憲法を踏まえるべきだ
33 戦争体験から憲法を考える
34 「護憲」の声を、来年も出そう
35 護憲と改憲の対立軸は貴重
36 憲法を尊重しない法務大臣がいる!
37 昭和末期、天皇制主題の集会への干渉
38 世論で防ごう、自由への圧力
39 東京都庁の爆発物は、市民社会の敵
40 「問答無用」のしそうを排す―朝日新聞襲撃事件に触れて―
Ⅶ 平和をめざす営み
41 武力では守れない平和国家日本
―侵略への身構えではなく友好の重視を―
42 核戦争の回避には、まず対話から―人間不信を取り除こう―
43 平和志向こそが防衛策の原点
44 歴史の逆流を許すな
45 国家機密法(自民党修正案)の本質を見抜こう
―「不当な方法」のあいまいさ―
Ⅷ 開戦と敗戦の問題点
46 日中戦争の延引は中国人への差別観
47 一二月八日、二つの問題点
48 真珠湾で開戦の日を思う
49 放送番組に乏しい、反戦の姿勢
50 私の「八月一五日」
51 敗戦でも価値観の変わらぬ人がいる
52 「もう一年早く、戦争が終わっていればなあ」との声
53 戦友の死を思う投書に触れて
54 国家の力で、個人が再び抑え込まれぬためには?
55 私たちの知恵が問われている
―「国家総動員法」(一九三八年)と有事立法―
56 九月十八日も忘れてはならない―「満州事変」への突入―
57 私の弁当に突然黒い手が!―敗戦直後の車内で―
58 沖縄で、知人の戦死した弟と「対面」
Ⅸ 原爆をめぐる問題点
59 大江健三郎氏のノーベル賞受賞と『原爆体験記』に寄せられた文章
60 文化勲章辞退への批判は不当
61 被爆五十年目のヒロシマに寄せる―平和志向をヒロシマから世界へ―
62 原爆展問題と日本の教科書検定
63 原爆投下の主因は日本の開戦
64 丸木位里さん、赤松俊子さんの『原爆の図』発表当時の感想文
65 永井隆氏著『長崎の鐘』の刊行事情
66 長崎原爆資料館での「説明文」削除
67 沖縄での原爆展を政府も応援せよ
Ⅹ 空襲についての体験と問題点
68 敵機の襲撃で危機一髪
69 「勤労奉仕」の最中に受けた吸収
70 「東京空襲」「東京大空襲」の名称とその内容に注意が必要
XI 新しい祝日の問題点
71 忠実と離れた「建国記念の日」
72 「海の日」は国民の祝日として適当なのか
あとがき
注
参考文献
参考資料
主要年表
【著者略歴】
日野 資純 (ひの すけずみ)
1926(大正15)年、東京渋谷区生まれ。
東京大学文学部を1951年3月卒業、国文学科・国語学専攻。弘前大学、駒澤大学、静岡大学、静岡英和女学院短期大学の教職を経て、1996年3月定年退職。静岡大学名誉教授。
日本語学会会員、朝風の会、静岡県近代史研究会会員
主著:
『方言学論考―観察と実践―』東宛社、1984
『日本の方言学』東京堂出版、1986
『基礎語研究序説』桜楓社、1991
『古典解釈のための基礎語研究』東宛社、1996
『日本語のキーワード』東宛社、2000
主要論文:
「相模方言の素描―その方言区画―」『国語学』9、国語学会、1952
「『形態素』の記述について」『国語学』47、国語学会、1961
「語論」『講座現代語1』、1963
「現代の方言と国語史」『講座方言学1』国書刊行会、1986
「国語史研究の一方向」『国語学』196、国語学会、1999