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  全3巻・A5判・上製・総1,360頁
  定価50,400円(本体48,000円+税)

  ISBN978-4-284-10189-9
  2009年10月 

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  • 「アウシュヴィッツから出発しない学問は、現代の学問ではない――」戦後においても、歴史の潮流と時代の課題を正面から捉え、幅広い視点より、深く鋭く論じてきた広大な思想活動が再びここに!
  • 戦前・戦後を通じ、時代を鋭く批評した歴史家・羽仁五郎の“戦後の思索”を精選・収録した著作集、ついに復刻。歴史論から平和論、都市論、ジャーナリズム論まで、幅広い見地より語られた羽仁の“戦後論”に触れる!
  • 論文・エッセイのほか国会討論など、戦後に執筆された著作から約120点を選び、テーマ別に「歴史論」「政治論」「文化論」の全3巻に構成。各章の論文は初出の順に掲載し、多岐にわたる思想活動とその関心の変遷を読む。
  • 各巻末には、星野芳郎・小中陽太郎・久野収による解説および山領健二による懇切な解題を収録。また、「戦後年表」や「初出紙誌・収録書一覧」「羽仁五郎戦後論文目録」などの資料も充実。

【底本】

『羽仁五郎戦後著作集』 全3巻 (昭和56・67年 現代史出版会)

【各巻構成】

第1巻 歴史論

Ⅰ 歴史学における人民の見地
福沢諭吉/新しきヒウマ二ズム/日本人の性格について/山本宣治/
明治一〇〇年か一九七〇年か/平等自由な人間美の発見 ほか

Ⅱ 戦争・平和・レジスタンス
平和に対する罪/現代の歴史とレジス夕ンス/原子力の問題/
現代における戦争の性格

Ⅲ 自由の未来と社会主義
二十世紀のなかばに立って/社会主義社会における自由/
人民の国における思想の自由/社会主義と民族問題/
パリ・コンミュンと今日の都市問題

Ⅳ 都市の自由と大学の自治
大学の自由の歴史/都市文化の性格とその変遷/都市の本質/
大学の本質/私家版世界地図

Ⅴ 歴史の理論と現代
つださうきち博士/歴史の病理学/野呂栄太郎とマルクス主義/
現代におけるクロォチェの意義/終末論の歴史的背景

〔解説〕羽仁史学は如何に未来を切り開こうとするか 星野芳郎
〔解題〕山領健二
初出紙誌・収録書一覧/羽仁五郎戦後論文目録

第2巻 政治論

Ⅰ 戦後民主主義の第一章
官僚主義批判/片山内閣の政治的使命/立法者としての人民/
東京裁判の終幕に寄す/レパプリカン・マ二フエスト

Ⅱ 基本的人権と国民の議会
基本的人権は制限しうるか/言論の自由について/学問の自由について/
警察国家の復活/死刑廃止論

Ⅲ 誰が国家の未来を選択するのか
日本国民に訴う/日本の運命を決定するもの/日本の現状/
国家の機密と言論の自由/安全保障条約という名の軍事条約

Ⅳ 悪法と不服従の論理
不服従の論理/主権在民憲法と保守政党/
いわゆる憲法改正すなわち憲法改悪はできない/法律と行政/法の危機

Ⅴ 危機が革命を必然にする
歴史になにを学ぶか/当面の目標/スチュウデント・パワアとわれわれ/
民主主義とデモの権利/公害の本質と階級闘争/所感ロッキード

〔解説〕最前線に立つ歴史家羽仁五郎 小中陽太郎
〔解題〕山領健二
初出紙誌・収録書一覧/戦後年表

第3巻 文化論

Ⅰ ジアナリズムと知識人の使命
日本イデオロギイ論/ジアナリズム総論/眼を世界に開け/
無署名評論のために/図書館人の天職/国立国会図書館の創立 ほか

Ⅱ 歴史のなかの人間と芸術
進歩の論理/何を笑うべきか/哲学の歴史的分析/
日本文化の世界的水準/伝統と革命/知る自由/芸術をわれらに/
非組織者のレジスタンス ほか

Ⅲ 自伝的学問論
哲学者の獄死/転向/ベルリン日記/
プロレタリア科学研究所創立のころ/屈辱の鎖から/暗い谷間と戦後/
クロォチェ『歴史叙述の理論乃歴史』 ほか

Ⅳ 反ファシズムの同時代人たち
市民的哲学者 三木清/福沢諭吉と野呂栄太郎/告別のことば/
クロォチェ死す/久保栄の孤立/忘れ得ぬ人 河合栄治郎/
佐藤哲三と私 ほか

Ⅴ 青年に訴える
教育を人民の手に/青年に与う/新時代における学生の使命/
ヒウマニズムと教育/青春の感覚/若い人が黙ったとき/
自分の眼で見、考える姿勢を ほか

〔解説〕戦後民主主義の中の羽仁五郎 久野収
〔解題〕山領健二
初出紙誌・収録書一覧/著者目録

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