新聞に見る初期日本映画史 ―名古屋という地域性をめぐって―

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小林貞弘 著

四六判・上製・260頁
定価3,320円(本体3,200円+税)

ISBN978-4-284-10397-8
2013年7月

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映画は名古屋の街に何を与えたのか? また、人々からはどのような反響があったのか?

本書は、映画が本来持っている歴史的かつ社会的な意義を、地域との関係に焦点を合わせて問いかけた先駆的な試みである。明治・大正時代の『新愛知』『名古屋新聞』などの地方紙を丹念に調査・分析することによって、東京や京都のような映画の制作地ではない名古屋の映画史のユニークな展開を、鮮やかに描き出している。名古屋の民俗学史を理解するうえでも貴重な1冊である。

【目次】

はじめに――名古屋の映画史を語る
 明治・大正時代の名古屋について/調査対象としての『新愛知』『名古屋新聞』/
 紙面に見る名古屋映画史の概要

第一章 名古屋における映画人気の浸透(一八九七―一九一九年)
 第一節 驚異の西洋文明から物語る娯楽へ(一八九七―一九一九年)
 第二節 共進会と名古屋(一九一〇年)   
 第三節 紙面の映画街大須(一九〇八―一五年)    
 第四節 名古屋におけるジゴマブーム(一九一二年)   

第二章 名古屋における映画行政の展開(一九一一―二五年)
 第一節 活動写真取締規則制定以前の状況(一九一一―一五年)
 第二節 活動写真取締規則の施行から改正まで(一九一五―一八年)
 第三節 県内統一検閲から全国統一検閲まで(一九一八―二五年)

第三章 名古屋における映画論壇の形成(一九二〇年代前半)
 第一節 『イントレランス』から『カリガリ博士』へ(一九一九―二二年)
 第二節 活動写真展覧会の開催と映画記者の台頭(一九二二―二五年)
 第三節 日本映画、説明者、そして「あらゆるファン」のために(一九二四―二五年)

第四章 結節点としての一九二五年とその後の名古屋映画史
 第一節 映画行政と映画論壇の結節点(一九二五年)
 第二節 その後の見取り図(一九二五―四五年)


引用・参照文献
略年表

あとがき

【著者略歴】

小林 貞弘 (こばやし さだひろ)

1970年 愛知県生まれ
1997年 名古屋大学大学院国際開発研究科博士課程前期過程修了
2007年 名古屋大学大学院国際言語文化研究科 博士(学術)
日本映像学会、日本マンガ学会会員
河合文化教育研究所研究員、椙山女学園大学・中部大学非常勤講師

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