++ 書評・図書紹介 ++
戦後日本の地域と教育 ―京都府奥丹後における教育実践の社会史―

Kobayashi2014.jpg  小林千枝子 著

  A5判・上製・432頁
  定価(本体5,600円+税)

  ISBN978-4-284-10415-9
  2014年9月

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教育にとって地域とは何か―― 戦後日本におけるその展望を社会史の手法で描く!

1970年代、高度成長に由来する産業構造の大きな転換を背景に、子どもたちのおかれた状況も、学校に対する親の期待も大きく変わった。時を同じくして、「地域に根ざした教育」が全国的に広がり、また相対評価に代わって到達度評価が登場した。本書は、こうした変化の真相を追究しながら「村を解放する学力」を求めた、京都府奥丹後の教師・親・地域住民を事例として、教育実践上の模索と展望を明らかにする。

 

 

【目次】

序章 「地域と教育」という問い

第T部 奥丹後の生きられた戦後史
第1章 転換期としての高度成長期
第2章 丹後機業―機業家からの聞き書きを中心に―
第3章 教師と子どもたちがとらえた丹後機業の実際
第4章 過疎問題と青少年の進路動向
第5章 地域住民とともに展開された教師たちの教育研究活動
第6章 奥丹後の到達度評価実践をめぐる論点
第7章 「日の丸」問題と地域住民の結束

第U部 父母や教師たちの群像
第1章 峰山中学校育友会を支えた父親たち―清水久良市と山添薫―
第2章 多様な教師たちの思いや生き方―取材ノートから―
第3章 奥丹後の双璧―渋谷忠男と川戸利一―
第4章 海の男、池井保の教育実践と生き方
第5章 下戸明夫の演劇指導と生き方
第6章 文化運動を陰で支えた下戸松子の苦悩と文化づくり

第V部 教育実践の諸相
第1章 川上小学校の「地域にねざした教育」
第2章 川上小学校における到達度評価実践の具体相
第3章 総合学習としての峰山中学校の「目標学習」
第4章 峰山中学校における到達度評価実践の展開
第5章 「荒れ」を克服した峰山中学校の学校づくり
第6章 峰山中学校の育友会活動
第7章 下戸明夫日記にみる峰山中学校教師の日常

終章 戦後日本の地域と教育―到達度評価に注目して―

あとがき
索引

 

【著者略歴】

小林 千枝子 (こばやし ちえこ)

1955年生まれ。栃木県出身。1984年、お茶の水女子大学人間文化研究科博士課程単位取得満期退学。1997年、同大学にて博士(社会科学)取得。教育学・教育史専攻。現在、作新学院大学人間文化学部教授。

著書:『教育科学の誕生』(共著、大月書店、1997年)『教育と自治の心性史』(単著、藤原書店、1997年)、『到達度評価の理論と実践』(共著、昭和堂、2002年)、『「天の恵」騒動記』(単著、文芸社、2004年)、『青年の社会的自立と教育』(共編著、大月書店、2011年)ほか。