Wada2007.jpg

和田典子著作選集編集委員会 編著

A5判・上製・420頁
定価5,040円(本体4,800円+税)

ISBN978-4-284-00068-0
2007年8月

→ご注文   →書評・紹介記事 

和田典子は、男女ともに学ぶ家庭科および男女平等の実現に、全人生をかけてたたかった教師であり、研究者である。 家庭科教育やジェンダー平等に対して歪曲に基づいた攻撃が行われている今、本書は、それらに関心のある方々、そして学校教育のあり方・男女平等に関心のある方々など、民主的な教育を願う全ての人々の必読書である。

【目次】

はじめに

第Ⅰ部 座談会 和田典子の人とその仕事

第Ⅱ部 和田典子著作論文

Ⅰ 1960〜1970年代

1. 家庭科教育の現状とその動向  (1)体制側の家庭科構想 (2)自主教研の側で生み出された諸構想

2. 今後の研究のすすめ方  (1)中教研の研究の歩み (2)中教研家庭科部会資料

3. 『家庭科研究』創刊のことば

4. われわれの目ざす家庭科教育  (1)現在における家庭科教育の任務 (2)家庭科の内容・方法について

5. 現行家庭科を告発する
  ―教科書検定裁判における証言記録―原告側証人 和田典子
  (1)学習指導要領の問題点 (2)生徒の不満
  (3)“食品群別摂取量のめやす”について (4)型紙教育

6. “新中学校教科書批判”
  (1)準国定化された (2)単元構成や題材配列はどうかわったか
  (3)基本的な性格は変っていない (4)教科書のえがく家庭像・女性像
  (5)自主編成をどうすすめるか

7. 家庭科教育で家事労働をどう位置づけるか

8. 〈実践報告〉性をどう教えるか
  (1)はじめに (2)授業の展開(二年家庭一般―保育分野)
  (3)おわりに

Ⅱ 1970〜1980年代

1. 家庭科の教育理念
  (1)はじめに (2)自主編成の原則的視点
  (3)現代における家庭科教育の課題

2. 家庭科は女子用教科か―教科論確率のために―
  (1)教科論の基本的視点 (2)教育とはなにか
  (3)自主編成のなかから教科論をさぐる (4)仮説的家庭科論
  (5)家庭科の教育課程をどう編成するか (6)結びにかえて

3. 家庭科の全体構想をどう立てるか
  (1)はじめに
  (2)家庭科の全体構想試案
    ―日教組中央教育課程検討委員会
      「教育課程改革試案」より全文転載―

4. 家庭科不要論を克服する理論と実践
  (1)家庭科教育と子供の現状 (2)家庭科研究の課題
  (3)当面する諸問題

5. 家庭づくり政策と家庭科教育
  (1)家庭や子どもの現状(教研の報告から)
  (2)家庭づくり政策の流れと家庭科 (3)「家庭基盤充実」政策と家庭科
  (4)おわりに―今後の課題―

6. 家庭科教育の現状
  (1)教育政策・教育行政 (2)家庭科の現場状況
  (3)自主編成運動 (4)当面の課題

7. なぜ、文部省は家庭科女子必修に固執するか
  (1)いきさつ (2)なぜ女子必修にしたいか
  (3)平和と戦争、平等と差別 (4)今後のとりくみ

8. 家庭科男女共修と新しい家庭科
  (1)はじめに (2)家庭科の本質 (3)家庭科の目標
  (4)家庭科教育の今日的課題 (5)教育内容をどう編成するか
  (6)おわりに

Ⅲ 1980〜2000年代

1. 家庭教育と人間形成  (1)女生徒の進路 (2)子育てと家庭の役割 (3)子どもと対話できる親

2. 男女平等をすすめる教育
  (1)男女平等・教育全国ネット創刊のあいさつと呼びかけ
  (2)女性に対する暴力とジェンダー―少女向けコミック誌調査から―
  (3)教科書編集のしくみ―「道徳副読本」の事例から―
  (4)「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書に対する私たちのアピール
    ―「つくる会」の「教科書を憂慮するNGO女性(個人・団体)の声明」―

3. 国際婦人年連絡会―教育・マスメディア委員会―
  (1)教科書検定作業の打ち合わせ―レジメ―
  (2)小学校「道徳」副読本(5・6年用)検討結果
  (3)小学校「国語」教科書(1・2・3年用)検討結果

Ⅳ 戦後史における男女(ジェンダー)平等教育

1. 男女共学いまむかし  (1)男女共学のはじまり (2)女生徒たちの活躍 (3)近ごろのこと

2. 女子教育を考える
  (1)女生徒たちはどうなってるか (2)最近の調査から
  (3)新教育指針から中教審答申まで
  (4)わたしたちの目ざす家庭像、女性像

3. 家庭での平等について
  (1)家庭での男女差別強く感じつつも差別を再生産
  (2)ふえる就業、仕事と家事・育児一手に抱え込む母親たち
  (3)家族団らんに強い願い
  (4)母親が一人で苦労する現実―働かされすぎの夫、低い社会保障―
  (5)性別役割分担を固定化する教育の多様化路線
  (6)差別撤廃条約の理念にたち、条件づくりすすめる
  (7)役割分業体制うちやぶる家庭での闘い

4. 学校教育―教育改革のもとで―
  (1)男女平等教育をめぐって (2)家庭科の男女共修運動
  (3)残された問題 

5. 体験的学校論―これからの学校に対する課題と提案―
  (1)はじめに (2)わたくしのうけた教育体験
  (3)学校が輝いていたころ (4)生徒が輝いていたころ
  (5)学校だけでは学校は守れない―学校紛争のこと―
  (6)情報洪水のなかで (7)教師の学校
  (8)地球規模の男女平等を目ざして (9)おわりに

6. ジェンダーの個人史
  (1)はじめに (2)出生―リプロダクティブ・ヘルス・ライツに反して―
  (3)嫁して三年子なきは去る
  (4)「男女七歳にして席を同じうせず」イズムとしくみ
  (5)男女隔離体制下の恋愛・婚姻―恋はお家のご法度―
  (6)家長独裁の家庭管理・家庭経営―亭主の好いた赤烏帽子―
  (7)働く女性と性別役割分業
  (8)戦後改革―男女平等法則、門戸開放・機会均等の限界―
  (9)家庭科の研究・運動とジェンダー・ロール
  (10)おわりに

和田典子著作目録和田典子略歴

【著者略歴】

井上恵美子 フェリス女学院大学文学部教授

斉藤弘子 家庭科教育研究者連盟会長

鶴田敦子 聖心女子大学文学部教授

永井好子 男女平等をすすめる教育全国ネットワーク

朴木佳緒留 神戸大学大学院人間発達環境学研究科教授

丸岡玲子 国際婦人年連絡会常任委員

吉村子 男女平等をすすめる教育全国ネットワーク

米田俊彦 お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科教授

和田典子著作目録作成委員

艮 香織 女子栄養大学栄養科学研究所

宇津野花陽 お茶の水女子大学大学院

小高さほみ 秋田大学教育文化学部准教授

お問合せ・ご相談はこちら

教育・福祉・思想など人文・社会科学関係の学術書・テキストブックの出版を行っている学術出版会のホームページです!