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  谷川二郎 著

  A5判・上製・340頁
  定価5,040円(本体4,800円+税)

  ISBN978-4-8205-9297-6
  2005年3月

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シェイクスピアのドラマと詩の世界の幹流を成す「愛」(エロス)の主題の展開を、男と女及び男対女というジェンダー間の関係で追う。独立した作品論に依拠しながら、「愛」の視点からのシェイクスピアの全体像構築を試みる。

【目次】

序章を兼ねた総章 愛の主題の展開を追って―ひとつの全体像の試み

第一章 喜劇的コンテクトの中での愛の主題の展開―愛の喜劇化

『ヴィーナスとアドー二ス』―愛の主題の萌芽
『ヴェローナの二紳士』―愛の喜劇化の最初の試み
『恋の骨折り損』―言葉の饗宴と愛の真実と虚飾
『夏の夜の夢』―ある貴族の結婚式の凝った余興
シャイロック考―愛の成就を妨げる障害
『お気に召すまま』―ヒロインに観る愛の喜劇の円熟味

第二章 愛を見る視点の変化とそれに伴う女性観の変貌

『ソネット集』―詩人の二つの幻滅の愛
『トロイラスとクレシダ』―ヒロインの心変わりと愛の喜劇の崩壊
『尺には尺を』―貞操と人命、情欲による求愛

第三章 悲劇的コンテクストにおける愛の主題の展開

ハムレットの中の女性嫌悪(その1)―母と恋人に対するハムレットの女性嫌悪
ハムレットの中の女性嫌悪(その2)―ハムレットの女性嫌悪の持つ意味
悲劇『オセロー』の中の喜劇的要素―オセローに見るロマンティック・ラブの脱構築
ロマンス劇の光と影―消滅しないミソジニーの残影と第二世代のヒロイン達

あとがき

索引
 

【編者略歴】

谷川 二郎 (たにかわ にろう)

1940年3月10日 旧満州(安東市)に生まれる
1958年3月 鹿児島市立玉竜高校卒業
1964年3月 熊本大学法文学部文学科卒業
1968年3月 広島大学大学院文学研究科博士課程前期修了
1968年4月 熊本大学教養部助手
1979年4月 熊本大学文学部助教授
1982年7月〜9月 連合王国(レディング大学)へ派遣
1988年7月〜9月 連合王国(オックスフォード大学)へ海外研修
1994年4月 熊本大学文学部教授

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