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  山田麻里 著

  A5判・上製・190頁
  定価3,360円(本体3,200円)

  ISBN978-4-8205-8931-0
  2004年2月

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ディケンズの風刺、T.S.エリオットのブラック・ユーモア、マロリーのもつ郷愁、そして『失われた時を求めて』……。ウォーの作品のなかに静かに響く、豊穣なる先行テクストを読み解く気鋭の論考。

【目次】

はじめに

序章
 (1) イヴリン・ウォーの長編小説13編における『一握の塵』の位置づけ
 (2) テクスト間相互関連性(interextuality)とは
 (3) 内外のウォー研究における本書の位置づけ
 (4) 『一握の塵』に見られるテクスト間相互関連性のさまざまなレベル

第1章 中世の騎士と現代の騎士
 (1) サー・トマス・マロリー『アーサーの死』
 (2) ヴィクトリア朝における騎士道礼讃
 (3) 『一握の塵』に見られる現代のアーサー王伝説 

第2章 秩序と死
 (1) 「ディケンズを愛した男」
 (2) 『マーティン・チャズルウィット』と『一握の塵』
 (3) 『荒涼館』と『一握の塵』
 (4) 『リトル・ドリット』と『一握の塵』
 (5) 『一握の塵』を通して見るウォーにとってのディケンズ

第3章 時が育む浪漫
 (1) ウォーとプルースト
 (2) 『一握の塵』と『失われた時を求めて』
 (3) 古き良きもの
 (4) 習慣

第4章 一握の塵の恐怖
 (1) 『一握の塵』と『荒地』
 (2) 『荒地』におけるテクスト間相互関連性とモダニズム
 (3) 『荒地』と『一握の塵』に見る聖杯伝説
 (4) 『一握の塵』に見る『荒地』
 (5) 『一握の塵』に見るモダニズム

参考書目

あとがき
 

【著者略歴】

山田 麻里 (やまだ まり)

1971年 東京生まれ。フェリス女学院大学大学院人文科学研究科博士後期課程修了。文学博士。現在、明治大学講師。専攻はイギリス文学。主に20世紀の小説、モダニズム文学。

主要論文「『一握の塵』のテクスト間相互関連性」(博士論文)2000年

共著『〈インテリア〉で読むイギリス小説――室内空間の変容』ミネルヴァ書房、2003年

その他の論文
“From Hetton Abbey to ‘Chez Todd’: A Study of Evelyn Waugh's A Handful of Dust” 『英文学会会誌』 第29号、フェリス女学院大学文学部、1996年
「The Loved One にみられる間テクスト性」『Ferris Wheel』 第3号、フェリス女学院大学大学院、2000年
「『一握の塵』の中に広がる『荒地』、『荒地』で手にする『一握の塵』」『Ferris Wheel』 第4号、フェリス女学院大学大学院、2001年

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