
田中俊廣 著
A5判・上製・260頁
定価5,040円(本体4,800円+税)
ISBN978-4-8205-8768-2
2003年2月
伊東静雄の詩業と生涯を概観・総括し、初期から後期までの発想の推移を正しく位置づけ、分析と鑑賞を精細に展開することによって、作品の新しい魅力を発見する。
【目次】
序詩 遠い向井―伊東静雄・菜の花忌に寄せて
Ⅰ 「痛き夢」の軌跡*詩人の生涯
Ⅱ <初期詩篇>考*私を越ゆる言葉はないか
Ⅲ 『わがひとに与ふる哀歌』*背反とその葛藤
Ⅳ 幻の詩集『(拒絶)』*計画と構想の崩壊
Ⅴ 『夏花』*<凝視>による超克
Ⅵ 『夏花』*レクイエムとしての詩宇宙
Ⅶ 『春のいそぎ』*ことばの成熟と崩壊
Ⅷ 『反響』*静謐な混沌の探求
Ⅸ 反転する<故郷>
伊東静雄略年譜
あとがき
【著者略歴】
田中 俊廣 (たなか としひろ)1949年、長崎県福江市生まれ。早稲田大学京域学部国語国文科卒業、同大学国語国文学専攻科修了。長崎県立高等学校教諭を経て、現在、活水女子大学文学部教授。日本近代文学会、日本文学協会、日本キリスト教文学会、日本現代詩人会会員。
編著に『伊東静雄青春書簡―詩人への序奏』(本多企画 1997.12)、詩集に『西行の麦笛』(七月堂 1987.10)、『水族として』(七月堂 2000.2 第15回長崎県文学賞)がある。その他、共著や谷川俊太郎、仲町貞子についての論文など。