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  綾目広治 著 

  A5判・上製・383頁
  定価6,090円(本体5,800円+税)

  ISBN978-4-8205-2722-0
  1999年2月

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「本書は、一方でこれまでの実体化した文学観を脱し、他方で状況に癒着し、牙を抜かれた“ポストモダニズム批評”のからくりをも説き明かす。読者を批評と研究の根源へと導く待望の書」(田中 実)

【目次】

序にかえて脱=文学研究、もしくは文学研究についての方法論的考察

第一部 文学の根拠を模索して―戦前

 小林秀雄――その思想論、歴史論、言語論
 〈理論信仰〉から離れて――中野重治の初期論争
 谷崎潤一郎の表現論――『文章読本』論
 散文論の可能性――高見順『如何なる星の下に』
 批評理論とマルクス主義―戦前から戦後へ

第ニ部 <変革の思想>の変革―戦後

 花田清輝の弁証法――バフチン的可能性をも超えて
 『言語にとって美とはなにか』論――サルトル哲学とマルクス理論の混在
 吉本隆明と花田清輝――論争の背後にあるもの
 「日本の革命運動の伝統の革命的批判」――中野重治のレーニン論
 宗教と文学と政治――野間宏『わが塔はそこに立つ』

第三部 新たな可能性の試み―現代へ

 伊藤整の小説論――現代社会論への射程
 庄野潤三の家族小説――一九六〇年代を中心に
 高橋和巳論――敗戦、戦後革命、全共闘
 〈天皇制的〉共同体の創出?――大江健三郎『M/Tと森のフシギの物語』
 認識論的な<社会論>の限界――柄谷行人『探究Ⅰ・Ⅱ』

結びにかえて

微温的批評を超えて――ポストコロニアリズム、フェミニズム、                ポストモダニズム、ディコンストラクション

初出一覧

あとがき
 

【著者略歴】

綾目 広治 (あやめ ひろはる)

1953年 広島市生まれ。京都大学経済学部卒業。広島大学大学院文学研究科博士課程後期中退。広島文教女子大学講師を経て、現在ノートルダム清心女子大学文学部教授。「千年紀文学の会」会員。論文に「梅崎春夫論」、「ジャワ徴用文学者のアジア観―日本型“オリエンタリズム”について」など。

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