小山悳子 著
A5判・上製・360頁
定価3,990円(本体3,800円+税)
ISBN978-4-8205-9319-5
2005年3月
本書は江戸時代に発見されて“偽書”として扱われてきた神道書『神令』を客観的・思想史的に分析し、神道の包容力を見出し、日本人が古来から育んできた神観念を明らかにする。著者の既刊『日本人の見出した元神』の主要部分の英訳 “THE JAPANESE AND KAMI”も収録。
【目次】
プロローグ 現代科学から眺めた神道
(1)遺伝子学と神道
(2)現代宇宙論と神道の創世観の接点
Ⅰ 神道の性格分析
一 神道成立の特色
二 神道の性格的特色
A 神と善悪の関わり
B 神道の歴史的変遷にみる異教との関わり
C 本居宣長とキリスト教との関わり
D 本居宣長と国家神道
Ⅱ 神道の本質を『神令』にみる
一 『神令』の本文
二 『神令』の成立年代
三 元神観による『神令』の神観念の分析
四 『神令』は祝詞の一種ではないのか
A 文体からの分析
B 『神令』と忌部氏との関連性
五 『神令』は『古語拾遺』の別巻ではないのだろうか
A 『神令』と『古語拾遺』の接点
B 「宮門を祭る祝詞」とは何か
C 「六種之勅」は「六宗」
①「五穀」・「四菜」と神罰 ②「六宗」と「六種之勅」
むすびあとがき
心の滴
THE JAPANESE AND KAMI
【著者略歴】
小山(宇賀神)悳子 (おやま とくこ)
愛知県松山市出身。私立松山済美中学、愛媛県立松山東高等学校を経て、愛媛大学文理学部国文科卒業。聖心女子大学大学院文学研究科日本史専攻修士課程修了後、立教大学大学院文学研究科日本史専攻博士課程修了。1992年〜1995年ロンドン大学に於いて、アカデミック・ヴィジターとして、自著の翻訳に従事しながら研究活動に参加、スペシャルセミナーを一度受持った。
著書 『日本人の見出した元神―「古事記」より「古事記傳」まで―』 ペりかん社発行。主要論文 「パアデレ・ヒル・デ・ラ・マタの生涯」(キリスト教史学 第27集、キリスト教史学会)、「キリシタン宗門と吉田神道の接点―天道という語をめぐって―」(キリシタン研究 第20輯、吉川弘文館)、「本居宣長と吉田神道」(季刊日本思想史 第11号、ペりかん社)、「慈遍・兼倶・宣賢にみる一気論」(日本思想史学 第18号、日本思想史学会)、「出口延佳の神道観」(神道及び神道史 第47号、國學院大学神道史学会)、「Tentō(天道):The point of Contact Between Shintoism and Christianity in 16th Century Japan」(神道及び神道史 第52号、國學院大学神道史学会)。