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宮地正卓 著 

A5判・上製・180頁
定価(本体4,000円+税)

ISBN978-4-8205-8831-3
2003年4月

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帰納的推論に潜在する哲学的難問を最初に剔抉し、哲学界に投げかけたヒューム。現代の量子力学によって因果関係の確率論的性格が解明されるに及んで、先鋭化した問題をポパーとライヘンバッハの対立を軸に考察。

【目次】

まえがき

第一章 ヒュームの哲学的基盤とその検討
 (一) ヒュームの哲学的基盤の主観主義的偏向
 (二) ヒュームにおける「印象」と「観念」
 (三) ヒュームの「印象」と「観念」への諸批判
 (四) ヒュームの「印象」と「観念」と外的対象との問題

第二章 ヒュームの因果論と帰納理論
 (一)ヒュームにおける因果観念とその間題点
 (二) ヒュームにおける因果認識の成立根拠=恒常的連接
 (三) 恒常的連接の経験と帰納的推論
 (四) 恒常的連接の経験と自然の斉一性の原理
 (五) ヒュームの「蓋然性」による因果認識の証明
 (六) ヒュームの帰納理論への諸批判
 (七) ヒュームにおける、恒常的連接から因果観念を導く「信念」

第三章 ヒュームの因果論に対する現代的批判
 (一) ヒュームの因果論における問題点―その一―
 (二) ヒュームの因果論における問題点―その二―
 (三) 現代物理学の視点からのヒューム批判
 (四) ライへンバッハにおける帰納の正当化
 (五) ライへンバッハのヒューム批判

第四章 ポパーにおける帰納非存在論
 (一) ポパーが帰納的推論を否定する論拠
 (二) ポパーの帰納非存在論ヘの批判的考察―その一―
 (三) ポパーの帰納非存在論ヘの批判的考察―そのニ―

第五章 帰納的推論に関するポパーとライへンバッハの対立
 (一) ライへンバッハの帰納理論の出発点としてのヒューム批判
 (二) ライへンバッハの帰納理論の概要
 (三) ポパーとライへンバッハの対立点

第六章 科学的認識の論理を演繹的推論に限定する
      ポパーの見解とその検討
 (一) ポパーの見解への理論的検討
 (二) ポパーの見解の具体例による検討

結び

註索引

【著者略歴】

宮地 正卓 (みやじ まさたか)

1928年 奈良県天理市に生まれる。1959年 京都大学文学部大学院(旧制)哲学科修了。現在 神戸親和女子大学名誉教授

著書:『カント空間論の現代的考察』北樹出版(1980)/『近・現代自由意思論小史』近畿印刷工業出版部(1993)/『生き残れる組織 生き残る国』共著、講談社(1998)/『「自由」と「平等」の哲学』北樹出版(2001)/『運命・自由・愛―フランクルの「生きる意味」随想』中央法規出版(2002)/『「いのち」と「人間」の哲学―生命科学との対話を軸に』北樹出版(2002)/

最近の主要論文:「実存分析における主体的自由」〔1〕〔2〕神戸親和女子大学『研究論叢』第30号(1996)、第31号(1998)/「随意運動における心と脳―ヤングの対エックルス批判への哲学的検討」『科学基礎論研究』第94号(2000)

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