平山 洋 著
A5判・上製・296頁
定価3,360円(本体3,200円+税)
ISBN978-4-8205-4002-1
1989年7月
明治の中葉、 諸学未分化の啓蒙的思潮に擢んでいち早く人間の内面を問い、 批評論によって論壇に登場し、 以降哲学・宗教をはじめ、 文学・論理学におよぶ広範な学問と批評活動の軌跡をその生涯に重ね合わせて剔抉する、近代思想史研究に新軌軸を画す評伝。
【目次】
Ⅰ 幼年時代
1 誕生前後
2 初等教育
3 キリスト教への帰依
Ⅱ 同志社時代
1 創設期の同志社
2 生活と学習
3 山崎為徳(付著述目録)
4 友人たち……徳富猪一郎・原田助・湯浅吉郎・池袋清風
5 「基督復活論」と「論基督教之道徳」
6 卒業
Ⅲ 帝大時代
1 進化論と神学……目的論的進化論との関係
2 東京大学から帝国大学へ
3 論壇への登場
4 『哲学会雑誌』 (付書記・編集委員の変遷)
5 「批評主義」の萌芽……アーノルドとカント
6 「希臘道徳が基督教道徳に移りし次第」
7 『倫理新説』 『真理一斑』、そして良心の問題
8 正統的キリスト教からの転回
Ⅳ 早稲田時代
1 早稲田と本郷の間で……綱島梁川と夏目漱石
2 心理学的美学への関心と詩歌論・新体詩
3 「当今の衝突論」
4 『良心起原論』の完成
5 「批評主義」の展開
6 『西洋哲学史』と『倫理学』
Ⅴ 留学・療養・死
1 留学まで……「丁酉懇話会」との関係を中心に
2 欧州留学
3 療養と死
Ⅵ 「記憶して下さい。私は斯んな風にして生きて来たのです。」
大西祝全集未収録論文目録大西祝研究文献目録
各章の註
大西祝年譜
あとがき
人名索引
【著者略歴】
平山 洋 (ひらやま よう)
1961年 神奈川県生まれ
1986年 慶應義塾大学文学部哲学科卒業
1992年 東北大学大学院文学研究科修了
現在 静岡県立大学国際関係学部教員 博士(文学)
専攻:倫理学・日本思想史学
主要論文:「大西祝 『進化論的理想説』の源流」『日本思想史学』20号 (1988)/「大西祝の『全集』未収録論文について」 『日本プロテスタント史研究会報告 』 31 ・ 32合併号 (1989)