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佐藤隆文 著 

A5判・上製・330頁
定価5,460円(本体5,200円+税)

ISBN978-4-8205-8767-5
2003年2月

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1990年代の経済現象を経済理論と現実の金融行政との両面から考察。バブル期における銀行の経営や金融破綻処理の枠組について詳述。

【目次】

はじめに                    

序章 考察の視点と本書の構成

第1章 金融破綻の一般化とその含意
 第1節 金融破綻の一般化と不良債権問題
 第2節 リスク・テイクにおける経営規律の欠如
 第3節 不良債権処理における経営規律の不足
 第4節 破綻を一般化させた諸勝因と環境条件の変化
 第5節 提起された政策課題

第2章 枠組み移行期としての1990年代
 第1節 1990年代金融行政の方向性
 第2節 信用秩序政策の中間目標:破綻の阻止から破綻の隔離へ
 第3節 新しい信用秩序政策の基本的成立ち
 第4節 2000年代初頭における過渡期的側面
 第5節 枠組み移行期としての1990年代
 第6節 信用秩序政策の歴史的変遷と1990年代の日本

第3章 金融破綻処理の枠組みとその変遷
 第1節 金融破たん処理の目的:若干の概念整理
 第2節 破綻処理実施上の諸原則
 第3節 破綻処理制度の形成:時代区分の試み
 第4節 破綻処理手法の基本類型

第4章 新しい預金保険制度の意義
 第1節 新しい預金保険制度の基本的性格
 第2節 預金の全額保護が果たした役割
 第3節 預金全額保護と市場規律
 第4節 預金全額保護と費用負担
 第5節 インセンティブ構造の変化とその効果

第5章 自己資本比率規制の枠組みとその進展
 第1節 銀行業における自己資本比率の意味
 第2節 自己資本比率とinsolvency probability
 第3節 自己資本比率規制の仕組みと主要論点
 第4節 我が国における自己資本比率規制の枠組みとその進展
 第5節 時価会計の導入と志さん査定・償却引当ルールの整備
 第6節 原稿国際統一基準の問題点と見直しの方向

第6章 自己資本比率規制の政策効果:1990年代日本の経験
 第1節 1990年代におけるわが国銀行の自己資本比率
 第2節 不良債権処理と自己資本比率:指標の正確性
 第3節 株式市況と自己資本比率:指標の安定性
 第4節 自己資本比率規制による銀行行動への影響
 第5節 規制区丘の趨勢的上昇と循環的変動
 第6節 早期是正措置の政策効果

参考文献


【著者略歴】

佐藤 隆文 (さとう たかふみ)

1950年、神奈川県生まれ。73年、一橋大学経済学部卒業、大蔵省入省。オックスフォード大学大学院(留学)、国際金融局、主計局、在スイス大使館などを経て92年、大蔵大臣秘書官。93年、主計局主計官(法規担当、外務・通産・経済協力担当、防衛担当)。96年、銀行局特別金融課長。97年、銀行局総務課長。98年、金融監督庁長官官房総務課長。99年、名古屋大学教授(経済学部)。2001年、金融庁総務企画局審議官。02年、金融長検査局長。経済学修士(オックスフォード大学)。経済学博士(名古屋大学)。

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