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横山正智 著  

A5判・上製・360頁
定価6,090円(本体5,800円+税)

ISBN978-4-8205-6618-2
2002年6月

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北欧が生み出した個性的工業技術の日本導入史。近代日本工業化の中におけるスウェーデン商社在日100年の足跡をたどり、激動の20世紀に独自の日本的経営を貫いた外国商社の特質を明らかにする。

【目次】

序章

第1部 ガデリウス商会80年の軌跡―日本の工業化と輸入機械―

第1章 ガデリウス商会前史
 第1節 19世紀後半のスウェーデン
 第2節 ガデリウス商会創始者クヌート・ガデリウス
 第3節 クヌート第1回目の極東市場調査
 第4節 クヌート第2回目の極東市場調査
 第5節 シンガポールから日本へ進出

第2章 日本の工業育成期とスウェーデンの工業製品
 第1節 当期概説
 第2節 創業期
 第3節 創業期の取扱商品
 第4節 鉱山機械
 第5節 ユングストローム蒸気タービン

第3章 恐慌と会社経営逆境時代
 第1節 当期概説
 第2節 慢性不況時代のガデリウス商会
 第3節 アガ式灯台灯器装置
 第4節 ルーツ式アキュムレータ
 第5節 ユングストローム空気予熱器

第4章 戦時体制と事業の拡大
 第1節 当期概説
 第2節 重役たちの運営によるガデリウス商会
 第3節 薬液循環装置と空気予熱器
 第4節 サンドビック、ヘガネス鉄粉、カンタル工業素材品
 第5節 自社向上建設、給水制御弁とスチームトラップ

第5章 戦後の混乱と輸入の再開
 第1節 当期概説
 第2節 兄弟の経営によるガデリウス商会
 第3節 AIQ制対象製品
 第4節 カミヤ式パルプ連続蒸解装置および漂白装置
 第5節 発電ボイラ補機

第6章 本格的メーカー化と同族会社の終焉
 第1節 当期概説
 第2節 高度成長と同族会社終焉のガデリウス商会
 第3節 ユングストローム空気予熱器
 第4節 フレクト電気集塵装置
 第5節 補遺

第2部 戦後高度経済成長とメーカー化の進展
     ―戦後空気予熱器技術導入―

第1章 大型空気予熱器製作の技術導入の契機
 第1節 時代の背景
 第2節 関西電力と空気予熱器
 第3節 関西電力、APC、ガデリウス商会の三者会談
 第4節 通産省、WH、CEの見解と問題の決着
 第5節 関係各当事者の立場

第2章 空気予熱器技術援助契約の交渉
 第1節 SRMに係わる問題
 第2節 ガデリウス商会の事情
 第3節 CEと三菱重工業
 第4節 APCとライセンス契約の交渉と締結
 第5節 技術援助契約成立の意義

第3章 APCと空気予熱器技術援助契約の成立
 第1節 技術援助契約書
 第2節 条文確定に至るまでの両者の交渉
 第3節 日米両政府の協定への干渉と技術援助契約の承認
 第4節 サブ・ライセンスの性格
 第5節 技術援助契約の成果

第4章 技術援助契約と授権テリトリー
 第1節 技術援助契約とテリトリーの概念
 第2節 テリトリーをめぐる紛争と輸出入協定
 第3節 APCのテリトリー
 第4節 中国本土と北朝鮮に関するテリトリー
 第5節 海外の販売代理店

第5章 新製品開発と開発基金
 第1節 製品開発と開発資金
 第2節 APCとガデリウス商会の協同開発
 第3節 APCとガデリウス商会の開発戦略
 第4節 脱硫用ガス予熱器の開発
 第5節 開発基金の清算とその性質

第6章 ガデリウス商会同族会社終焉とAPCとの技術援助契約の更改
 第1節 会社売却の計画
 第2節 会社売却の交渉とその反応
 第3節 ライセンス契約文言の法律的解釈の再確認
 第4節 ドル資金とガデリウス・インター
 第5節 会社売却とライセンス契約の更改

終章

あとがき

人名・会社名索引製品・事項索引

【著者略歴】

横山 正智 (よこやま まさとも)

1933年 生まれ。2001年 大阪市立大学大学院経済学研究科後期博士課程修了博士(経済学)。1959‐1994年 ㈱ガデリウス商会勤務(1959‐1965年;サンドビック・スチールベルト・コンベア設計業務を担当、1966‐1982年;ボイラ補機(ダイヤモンド・スートブロワなど)技術提携業務・国内外営業業務を担当、1983‐1994年;東南アジア市場開拓業務を担当)

主要著書
「高度成長期における外資系機械輸入商社のメーカー化」『経済学雑誌』(大阪市立大学)、第102巻第1号、2001年
「機械輸入商社ガデリウス商会の本格的メーカー化と同族会社の終焉」『経済学雑誌』(大阪市立大学)、第102巻第2号、2001年

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