【目次】

Ⅰ　高利貸研究の問題点

第一章　高利貸に関する学説史的研究
　一　明治期の高利貸研究
　二　大正期の高利貸研究
　三　昭和前期の高利貸研究
　四　戦後の高利貸研究
第二章　課題と方法
　一　日本信用体系と高利貸資本
　二　地主的土地所有と高利貸資本
（補稿一）高利貸資本展開の論理
　一　高利貸資本の実存条件
　二　高利貸資本の論理展開
　三　わが国への適用上の間題点―戦前の研究業績を中心に―
（補稿二）資本主義論争と日本金融論の方法
　一　はじめに
　二　旧講座派の日本金融論
　三　旧労農派の日本金融論
　四　おわりに

Ⅱ　 資本主義の発展と高利貸業

第一章　高利貸業の全国的・地域的展開（概観）
　一　はじめに
　二　貸金業の全国的動向
　三　貸金業展開の地域性
　四　おわりに
第二章　産業構成の特徴と高利貸金融―東北地帯を中心に―
　一　産業構成の特徴とその変化
　二　農家負債の変化と東北的特質
　三　貸金業展開の東北的特質

Ⅲ　高利貸展開の階層性

はじめに―高利貸資本の階層区分
第一章　中小高利貸業・桜井家の分析
　一　桜井家の成立過程
　二　貸金業展開の概要
　三　貸金業の生成・発展期
　四　貸金業の停滞第一期
　五　貸金業の停滞第二期
　六　貸金業の衰退期
第二章　巨大高利貸業・斎藤家の分析
　一　貸金業展開の概要
　二　貸金業の生成・発展期
　三　貸金業の停滞第一期
　四　貸金業の停滞第二期
　五　貸金業の衰退期
おわりに―高利貸展開の階層性（要約）
　一　高利貸資本の階層別展開
　二　高利貸資本の階層別変質形態
　三　高利貸資本の土地集中機能
（補稿）原蓄期農村における徴税請負的制度の性格
　　　　 ―宮城県登米郡の貢租米流通機構の変化を中心に―
　一　はじめに
　二　買請石代金納発現の一般的諸条件
　三　貢租米流通機構の変化と買請石代金納
　四　おわりに

Ⅳ　高利貸業の近代的金融機関への転身と限界

第一章　福島・宮城両県下の高利貸と信託会社
　一　はじめに
　二　福島県下の群小高利貸と信託会社
　三　宮城県下の地主・高利貸と仙台信託
　四　おわりに
第二章　日本最大地主本間家と本立銀行
　一　はじめに
　二　庄内経済の特質と本間家
　三　本立銀行の創立と組織・経営形態
　四　本立銀行の生成・発展期
　五　本立銀行の転換期
　六　出羽銀行との合同とその特質
　七　おわりに
第三章　庄内地方大財閥風間家と銀行
　一　はじめに
　二　風間家の資本蓄積と庄内における地位
　三　家業改革と貸金業の創業・展開
　四　風間銀行の設立とその特質
　五　風間（金屋）合名の設立と銀行
　六　おわりに
（補稿）山形県庄内地方の金融構造と勧銀支店
　一　はじめに
　二　勧銀鶴岡出張所の設置と他金融機関
　三　勧銀出張所の支店昇格と他金融機関
　四　おわりに―支店の債券消化機関化

Ⅴ　高利貸対策立法の展開

第一章　利息制限法の制定と変質
　一　はじめに
　二　利息制限法の制定とその意義
　三　利息制限法存廃論争の展開
　四　高利貸取締法案の内容と限界
　五　高利貸対策法の変容
　六　おわりに
第二章　産業（信用）組合法の制定過程
　一　はじめに
　二　信用組合思想の導入と組合法案
　三　産業組合法の制定とその意義
　四　おわりに
（補稿） 日本金融立法史研究の方法
　一　従来の研究成果・内容と方法
　二　実証分析上の問題点

初出論文一覧

【著者略歴】

澁谷 隆一 （しぶや りゅういち）

昭和5（1930）年 　東京に生まれる
昭和32（1957）年　早稲田大学大学院商学研究科博士課程修了
農林省農業総合研究所研究員を経て、現在、駒沢大学経済学部教授
経済学博士（東北大学）

主要編著書「農地改革と地主制」（共著、御茶の水書房、昭和30年）／「地主名簿資料所在目録」（編、農業総合研究所、昭和38年）／「明治期　日本特殊金融立法史」（編著、早稲田大学出版部、昭和52年）／「東北地方金融の構造と展開」（共著、時潮社、昭和53年）／「両大戦間における金融構造」（共著、御茶の水書房、昭和55年）／「戦間期の通貨と金融」（共著、有斐閣、昭和56年）／「日本の質屋」（共著、早稲田大学出版部、昭和57年）／「日本金融論の史的研究」（共著、東京大学出版会、昭和58年） ／"The Emergence of Private Pawnshops: Japanese Governmentpolicy", The United Nations University, 1983／「日本全国資産家地主資料集成」（編、柏書房、昭和59年〜60年）／「大正期日本金融制度政策史」（編著、早稲田大学出版部、昭和62年）／「都道府県別　資産家地主総覧」（編、日本図書センター、昭和63年〜平成11年）／「地方財閥風間家の研究」（共著、現代史料出版、平成12年）