
【目次】
序章 回想の臨時教育審議会――それぞれの教育改革――
1 はじめに
2 失敗だった“臨時教育審議会”――中曽根康弘元内閣総理大臣
3 教育改革になお熱き思いをはせる――岡本道雄元臨時教育審議会長
4 臨時教育審議会の調整役─―石川忠雄会長代理
5 中曽根元首相と共通性の多い教育改革観――瀬島龍三氏
6 教育・スポーツに対する熱情――有田一寿氏と岡野俊一郎氏
7 臨時教育審議会を超えて
第1章 教育の自由化・個性主義の提唱
――パラダイムの転換を求めて――
1 異様な雰囲気でスタートした臨時教育審議会
2 「満身創痍、切り死にしても」と「専門馬鹿(の文部省)」
3 「自由化」から「個性主義」・「個性の重視」へ
4 香山健一氏の「教育の自由化」と有田一寿氏の見解
5 新自由主義の方向への萌芽
第2章 柔構造の学校体系の改革
――学校体系改革の視点の転換
1 はじめに
2 中央教育審議会46答申の挫折
3 厳格で硬い我が国の学校制度
4 戦後における学校制度の改革――学校併立と制度の柔軟化
5 臨時教育審議会の学校体系改革の基本的視点
6 臨時教育審議会の学校体系改革の提言と考え方
7 臨時教育審議会後の学校制度の改革
8 今後の学校制度・学校体系の改革の視点
第3章 教育内在の在り方
――生涯学習社会における初等中等教育――
1 はじめに
2 臨時教育審議会の教育内容に関する提言
3 平成元年の教育課程の基準の改訂
4 「ゆとり教育」の提唱とその展開
5 教育の成果の向上をめざして
(補説)児童・生徒の学力の状況と学力調査について
1 低下している?児童・生徒の学力
2 児童・生徒の学力調査の経緯
第4章 教科書制度の改革
――教科書の充実と検定制度の透明性の向上――
1 はじめに
2 臨時教育審議会をとりまく環境(教科書制度の沿革から)
3 教科書制度改革の問題提起と論点整理
4 教育関係者・教科書発行関係者の意見
5 教科書制度改革に関する第1部会と第3部会の相違
6 教科書検定制度に関する第3部会の考え方
7 教科書「認定」制度に関する第3部会の考え方
8 教科書採択・教科書無償に関する第3部会の考え方
9 教科書の無償制と検定・採択、教科書総合立法に関する
第3部会の考え方
10 難航する第1部会と第3部会の調整
11 臨時教育審議会後の教科書制度の改革
(補説)法令における「教科書」の意義と教科書制度の沿革
1 法令における教科書の意義
2 教科書制度の沿革
第5章 幼児教育の在り方
――地域の特性に応じる教育機会の拡充――
1 はじめに
2 幼児教育の検討の視点および改革の基本的考え方
3 幼稚園の沿革と課題
4 保育所の沿革と課題
5 幼稚園と保育所の「一元化」問題
6 就学前教育の義務化(就学年齢の引き下げ)をめぐる論議
7 幼児教育に関する齋藤正委員・小林登委員の見解
8 第3部会などにおける幼児教育に関する意見
9 臨時教育審議会後の幼保一元化の展開
第6章 心身障害児教育の発展のために
――ノーマライゼーションをめざして――
1 はじめに
2 臨時教育審議会の設置時における特殊教育の状況
3 障害者の自立と雇用の状況
4 養護学校教育の義務化と統合教育をめぐる論議
5 臨時教育審議会における調査審議と提言
6 臨時教育審議会後の障害児教育の展開
第7章 教育の資質向上
――初任者研修制度の創設、社会人の活用――
1 はじめに
2 初任者研修制度のめざしたもの
3 特別免許状・特別非常勤講師の制度、教員養成の特別の過程
4 教職適格審査会に関する議論とその行方
5 教員採用の改善・現職研修の体系化
6 教育職員養成審議会の無念と屈折感
7 臨時教育審議会後の教員の資質向上策の展開
8 今後の改革のための視点
第8章 スポーツと教育
――生涯スポーツの振興と競技スポーツ力の向上――
1 はじめに
2 スポーツ振興の課題
3 スポーツと教育に関する分科会などにおける調査審議
4 臨時教育審議会後のスポーツ振興策の展開
5 課題の解決に向けて
第9章 臨時教育審議会後の教育改革
――増大する外部からの改革要求――
1 教育改革の歴史
2 臨時教育審議会の答申と教育改革
3 教育改革国民会議の設置とその報告
4 教育改革と行政改革・地方分権の推進、財政・経済構造の改革
5 再び臨時教育審議会を超えて
(参考)臨時教育審議会設置以後の教育改革略年史(初等中等教育関係)
補章1 アメリカの教育改革の動向について
1 はじめに
2 アメリカの教育改革の特徴
3 増大する州および連邦の役割
4 中等教育の改革
5 教員の資質向上
6 進む教育改革
補章2 1980年代以降の米・英国の教育改革と二つの学校観
1 はじめに
2 危機に立つ国家――1980年代以降の米国の教育改革
3 1980年代以降の英国教育の大転換
4 米・英国の教育改革に共通する特徴
5 公教育制度における関与の二つの類型――我が国の学校制度の特徴
6 おわりに
初出一覧・凡例
あとがき
索引
【著者略歴】
渡部 蓊 (わたなべ しげる)
1943年生まれ。1966年 東北大学教育学部卒業。文部省・文化庁、衆議院法制局、総理府(臨時教育審議会事務局)などを経て、現在、京都橘大学教授・武蔵大学講師(非常勤)。
著書
『イギリスの教育改革』第一法規(1990)
『最新 逐条解説 宗教法人法』ぎょうせい(2001)
『教育行政』日本図書センター(2004)