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手打明敏 著 

A5判・上製・334頁
定価(本体5,400円+税)

ISBN978-4-8205-5646-6
2002年3月

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明治農法の普及・定着過程における農民の教育・学習の実態を農事講習会と農事改良団体の活動に着目して解明。近代日本農村に農業生産力向上を意図した農民の自発的で主体的な教育と学習活動が存在したことを明らかにする。

【目次】

序章 本研究の課題と方法
 第1節 問題の所在
 第2節 先行研究の検討
 第3節 研究課題と方法
 第4節 本論文の構成

第1部 近代日本の農事改良と農民の取り組み

第1章 明治前期の稲作改良農法受容過程における農民の教育と学習
     ―『大日本農会報』の記事を通して―
 第1節 遠里農法と学理農法
 第2節 二つの農法の受容にみる農民の取り組み

第2章 福岡農法導入にみる農民の教育と学習―山形庄内地方の場合―
 第1節 庄内地方における農事改良の課題
 第2節 農事改良と農民の教育・学習活動―二人の農民の事例―
 第3説 農事改良を担った農民層とその役割

第3章 明治後期、「東北型」農村における農事改良と農民の教育と学習
     ―『荘内農事改良史』の考察―
 第1節 『荘内農事改良史』の編輯意図と収録された農民
 第2節 農事改良の課題に対する農民の取り組み

第4章 明治後期・大正期における「西南型」農村における
     農事改良と農民の教育と学習
     ―愛媛県温泉郡余土村を事例として―
 第1節 明治期の余土村の農事改良
 第2節 大正中期以降の農事改良の動向
 第3節 余土村民にとっての農事改良の意味

第2部 農事講習会の展開と農民の教育と学習

第5章 農事講習会の性格
 第1節 農業・農民教育体制の形成
 第2節 農業教育に占める農事講習会の位置
 第3節 対象の限定と農事講習会受講者数の推移
 第4節 農会報にみる農事講習会開設状況
 第5節 農事講習会の性格

第6章 農事講習会の教育と農民への期待
     ―農事講習会講義録・教科書・筆記の分析を通して―
 第1節 農事講習会講義録・教科書・筆記の特徴
 第2節 農事講習会講義録・教科書・筆記の刊行目的
 第3節 農事講習会
 第4節 農事講習会講師の姿勢

第7章 農事改良団体の組織化―山形県庄内地方を事例として―
 第1節 庄内三群における農事改良団体の設立
 第2節 西田川群興農会の組織と会員
 第3節 興農会に参加した農民の教育と学習

第8章 農事講習会と農事改良団体―愛媛県を事例として―
 第1節 農事改良団体の組織化
 第2節 余土村青年農事実習会と農事講習会

第9章 近代日本の農事改良における農民の教育と学習の関連
     ―山形県西田川郡と愛媛県温泉郡余土村の事例を通して―
 第1節 明治中・後期から大正期の稲作と農事講習会
 第2節 農事改良指導者としての農民の形成

終章 本論文のまとめと今後の課題
 第1節 本論文のまとめ
 第2節 今後の課題

資料 
 参考文献・資料一覧
 付表Ⅰ 農業講習会開設状況
 付表Ⅱ 農事講習会教科書等の目次構成

【著者略歴】

手打 明敏 (てうち あきとし)

1950年 鹿児島県生まれ
1974年 東京教育大学農学部農村経済学科卒業
1977年 東京教育大学大学院教育学研究科修士課程修了
1979年 筑波大学大学院博士課程教育学研究科単位取得退学
      淑徳大学社会福祉学部講師
1985年 同助教授
1992年 筑波大学教育学系助教授
2001年 同教授 博士(教育学)

著書(共著)『概説 生涯学習』(第一法規、1991)
   (共著)『社会教育計画の理論』(日常出版、1992)
   (共著)『生涯学習の設計』(実務教育出版、1995)

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