Kaizuka2008.jpg

貝塚茂樹 著

四六判・並製・244頁
定価2,100円(本体2,000円+税)

ISBN978-4-284-10125-7
2008年4月

→ご注文   →書評・紹介記事

戦後教育の議論は完全に「思考停止」の状態になって混迷している。その原因は一体何なのか? そしてこの「思考停止」から脱却するために、これからの教育には何が必要なのか? 本書は、こうした問題意識に基づきながら、戦後教育の歴史と現在を「戦後教育論」「道徳教育論」「学校・教師論」という3つの観点から詳細に分析し、その問題点と課題について考察する。

【目次】

はしがき

第1部 戦後教育論
  1 教育基本法の「歴史」をどう読み解くか
  2 教育基本法の改正をどう見るか
  3 「日の丸・君が代」をめぐる論争史と現在
  4 戦後教育と歴史教科書問題――欠落した「教育」の視点
  5 戦後教育と「逆コース」
  6 二項対立図式からの脱却を
  7 戦後のアメリカ像を象徴するもの
  8 戦後教育の転機――昭和五〇年代の教育をどう見るか
  9 戦後教育の「語り」を超えて

第2部 道徳教育論
 10 戦後道徳教育の歴史
 11 前田多門と道徳教育
 12 天野貞祐と道徳教育
 13 戦後教育史からみる道徳教育の課題
 14 戦後の道徳教育と修身教育
 15 修身科の功罪をふまえた議論の必要性
 16 理論的な議論の「土俵」づくり
 17 公教育の再生が道徳教育の基本
    ――市場原理主義と教育の私事化という新たな「敵」
 18 郷土愛と愛国心
 19 教育基本法と宗教教育

第3部 学校・教師論
 20 日本における教員養成制度の変遷と教師論
 21 「開かれた学校」と教師の意識改革で済むのか
 22 学校の公共性と教師の専門性を担保した改革を
 23 〈講演〉「教えること」の復権

おわりに初出一覧

【著者略歴】

貝塚 茂樹 (かいづか しげき)

1963年 茨城県生まれ。
1993年 筑波大学大学院博士課程教育学研究科単位取得退学。
国立教育政策研究所主任研究官などを経て、現在、武蔵野大学文学部教授。博士(教育学)。
専攻:日本教育史、道徳教育。

主要著書:
『戦後教育改革と道徳教育問題』(日本図書センター、2001年)、
『戦後教育のなかの道徳・宗教〈増補版〉』(文化書房博文社、2006年)、
『戦後道徳教育文献資料集』(全Ⅲ期/全36巻・別冊3)(監修・別冊執筆、日本図書センター、2003年〜2004年)、
『文献選集〈愛国心〉と教育(全13巻)』(共編、日本図書センター、2007年)
『教育史からみる学校・教師・人間像』(編著、梓出版社、2005年)、
『人間形成(全10巻)』(監修・解説執筆、日本図書センター、2007年)
『教育学の教科書―教育を考えるための12章』(文化書房博文社、2008年)などがある。

お問合せ・ご相談はこちら

教育・福祉・思想など人文・社会科学関係の学術書・テキストブックの出版を行っている学術出版会のホームページです!