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橋本鉱市 著

A5判・上製・448頁
定価(本体6,000円+税)

ISBN978-4-284-10128-8
2008年7月

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医師の数がどれだけ必要かについては、長い間政治的なイシュー(争点)であり続けてきた。本書は、そうした医師の「適正数」についての議論を戦前期から1990年代まで追いかけ、わが国の専門職養成に関わるアクター(関係者)とそのレジーム(政治的構造)の生成と変容について分析する。そして、高等教育における専門職養成に関して、今後の政策議論の視座と論点を明らかにする。

【目次】

はしがき

序章 研究の目的と課題の設定本書の目的と意義/研究対象と方法論/本書の概要

第1章 分析枠組と先行研究分析の課題と視角/分析対象としての専門職養成/方法論としての政策過程論/本書の分析枠組/本書の構成

第2章 戦前期における医師養成近代セクターとしての医師集団/医師集団の社会的特徴と評価/医界におけるヘゲモニー闘争/臨時医専による医師の大量増産/章括―戦後へのインパクト

第3章 占領下における医師養成政策医師数をめぐる「量」と「質」/第1期(終戦〜1946年2月)/第2期(1946年2月〜8月) /第3期(1946年9月〜12月)/第4期(1946年12月下旬以降)/章括

第4章 厳格な抑制と拡大への胎動医師数をめぐるアクターの認識/イシューの統合とアジェンダ・セッティング/政策形成・決定/章括

第5章 秋田大学医学部の実現イシューの認知・統合/アジェンダ・セッティング/政策形成・決定/章括

第6章 1970年代における医師養成拡充政策過程アジェンダ・セッティング/政策形成・決定/政策決定(予算化・法案化)とアウトカム/章括

第7章 1980年代における抑制・削減への政策過程イシューの認知・統合/アジェンダ・セッティング/政策形成・決定/章括

結章 総括と課題戦後日本の医師養成の政策過程/アクター/レジーム/残された課題と展望

参考文献
あとがき
索引

【著者略歴】

橋本 鉱市 (はしもと こういち)

東北大学大学院教育学研究科准教授
1965年 名古屋市生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。日本学術振興会特別研究員(PD)、東京大学大学総合教育研究センター助手、学位授与機構審査研究部助教授を経て、現職。
専攻:教育社会学(高等教育論)

著書:『東北大学における「学びの転換」』(東北大学出版会、2007年、共著)、『身体と医療の教育社会史』(叢書・比較教育社会史、昭和堂、2003年、共著)、『占領期教育指導者講習会(IFEL)研究集録 昭和25年度教育社会学』(すずさわ書店、2001年、解題)、『戦争と軍隊』(近代日本文化論 第10巻、岩波書店、1999年、共著)訳書:T.J.ペンパル『日本の高等教育政策―決定のメカニズム―』(玉川大学出版部、2004年、単訳)、L.マクドナルド『世界から見た日本の教育』(リーディングス 日本の教育と社会 20巻、日本図書センター、2009年、監訳)

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