【目次】
まえがき
第Ⅰ部 「良心起原論」を読む
第1講 永久革命としての批判・批評精神―一貫した「批評」の視座―
1 「方今思想界の要務」
2 「啓蒙時代の精神を論ず」
第2講 良心現象の構造―緒言および第1章「良心とハ何ぞや」―
1 「良心起原論」の構成
2 良心と一種特殊の意識
3 決行前における良心現象
4 決行後における良心現象
5 良心現象の目的物(=対境)
6 大西良心論の特徴―良心作用の範囲など―
第3講 良心起原諸説の批判―第2章「良心の起原」 1―
1 良心起原論の困難性
2 外的脅迫説批判
3 強力を根拠とする倫理説の帰結
4 利他的性情(社会的本能)説批判
5 想念的感覚説(スペンサー)
第4講 道徳的理想の根拠―第2章「良心の起原」 2―
1 道徳的理想の根拠
2 大西自説と純利哲学上の仮説
第5講 良心論の価値など―第3章および附録―
第6講 教育勅語批判―「忠孝と道徳の基本」「教育勅語と倫理説」ほか―
1 教育勅語批判の背景
2 教育勅語論文の大要
3 「教育勅語」と倫理説
第7講 大西倫理学の位置
1 「良心起原論」=道徳的《理想》の根拠
2 大西祝「倫理学」講義と西田幾多郎
3 内村鑑三との接点
4 和辻哲郎『倫理学』上巻
5 日本人の良心「良心の無き国民」
6 結び
参考文献
資料1 大西祝略歴
資料2 大西祝 良心論関連著作・研究論文
資料3・4 「良心起原論」関連年表
第Ⅱ部 大西論文原典校訂
「良心起原論」および教育勅語批判論文
「良心起原論」
緒言
第1章 良心とハ何ぞや
第2章 良心の起原
第3章 倫理学上此論の価値
附録 良心作用の目的物たる動機、意趣並行為
教育勅語批判論文
忠孝と道徳の基本
教育勅語と倫理説
耶蘇教問題
当今の衝突論
原典校注
あとがき
【著者略歴】
堀 孝彦 (ほり たかひこ)
1931年 台湾台北市に生まれる。1954年 東京大学文学部倫理学科卒業。1961年 東京大学大学院人文科学研究科博士課程倫理学専攻単位修了(文学修士)。1961〜1986年 福島大学教育学部教員(倫理学、社会思想史)。1986〜2002年 名古屋学院大学経済学部教授(同上)。2002年 定年退職。現在 名古屋学院大学名誉教授。
主要著書『近代の社会倫理思想』青木書店(1983年)、『「内村鑑三」と出会って』(共編著)勁草書房(1996年)、『英学と堀達之助』雄松堂出版(2001年)、『日本における近代倫理の屈折』未来社(2002年)、『私注「戦後」倫理ノート 1958-2003』港の人(2006年)