
貝塚茂樹 著
教育開発研究所
『教職研修』 2009年10月号
新学習指導要領の「道徳教育の充実」に対し、「道徳の押しつけはよくない」などの批判が止むことはない。しかし、そもそも学校は「道徳の時間」にまともに向き合ってすらいない。どう効果的に運用するかを考えるべきではないか。
本書はこの認識のもと、第Ⅰ部で日本における学校の道徳教育がどう議論されてきたのかを歴史的に検討し、第Ⅱ部では新学習指導要領に基づいて、道徳教育の目的、授業計画、授業理論、方法・評価などを整理している。
そして第Ⅲ部では、道徳教育の課題、すなわち「個性とは何か」「心理主義化」「愛国心」について考察している。道徳教育にまともに向き合っていくうえで、押さえねばならない考察である。