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  亀井勝一郎 著

  A5判・上製・272頁
  定価5,040円(本体4,800円+税)

  ISBN978-4-284-10228-5
  2010年3月

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明治以来の西洋と日本との間の、知的貸借表といったものがあるとすれば、おそらく日本は借方一方ではなかったらうか。西洋の知的資本の莫大な流入のもとに、日本の知識人は重労働を強ひられてきたやうなものである。  「二十世紀日本人の可能性 序説」より

【目次】

二十世紀日本人の可能性
 序説  非寛容の美徳  革命家の倫理  熟練者
 大都会における知的英雄  人間教育の技術  東洋への回帰

現代文学にあらはれた知識人の肖像
 内海文三  二葉亭四迷「浮雲」
 間貫一   尾崎紅葉「金色夜叉」
 長井代助  夏目漱石「それから」
 岸本捨吉  島崎藤村「新生」
 時任謙作  志賀直哉「暗夜行路」
 矢代耕一郎 横光利一「旅愁」
 杉野駿介  島木健作「生活の探求」
 鳴海仙吉  伊藤整「鳴海仙吉」
 佐々伸子  宮本百合子「道標」
 大庭葉蔵  太宰治「人間失格」

私の美術遍歴
 廃墟――礎石をめぐって  観音菩薩像  北斎漫画  伊太利紀行
 ミレーの祈り  美術と文学

 

【著者略歴】

亀井 勝一郎 (かめい かついちろう)

評論家。1907〜1966年。北海道生まれ。東京帝国大学文学部美学科中退。1928年3・15事件で検挙され、獄中転向。1935年保田与重郎らと同人誌「日本浪曼派」を創刊、ついで「文学界」同人となる。日本の伝統の中に自己と民族の再生の道を探し、古典・仏教美術に深い関心を寄せ、人間の究極的な救いのあり方を求めた。著作に『大和古寺風物誌』『現代人の遍歴』『日本人の精神史研究』など。

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