
谷川徹三 著
A5判・上製・280頁
定価5,040円(本体4,800円+税)
ISBN978-4-284-10229-2
2010年3月
私自身を知ることは私自身以外の存在、他の人間を、他の生物を、他の物体を、そういうものの集りである世間や自然を、すべて私を取巻くものを知ることによって初めてできる。別の言葉で、そうしてわれわれの今日に生きる生き方と関聯させて言えば、われわれの住むこの時代がいかなる時代であるかを知ることである。 「Ⅳ 如何に生きるべきか」より
【目次】
Ⅰ
日本人のこころ 再説日本人のこころ 現代は如何なる時代であるか
東西文化交流と日本
Ⅱ
戦争と平和 世界連邦政府運動と世界憲法 アジアとヨーロッパ
言志 世界史における現代
Ⅲ
私の見た志賀さん 『暗夜行路』覚書 哲学者としての三木清
もろともにかがやく宇宙の微塵となりて 修羅のなみだ 人間孔子
Ⅳ
文学と民衆 政治の文学支配について 国語の諸問題
教養としての文学 如何に生きるべきか
年譜
【著者略歴】
谷川 徹三 (たにかわ てつぞう)
哲学者、文芸・美術評論家。1895〜1989年。愛知県生まれ。京都帝国大学卒業。同志社大学講師を経て、1928年から法政大学教授。1963年から同大総長。この間、和辻哲郎、林達夫らと『思想』の編集にあたる。宮沢賢治の研究をはじめ、芸術・社会・文化・思想など多方面の評論活動のほか、「人類主権」の立場から平和運動に参加する。著作に『感傷と反省』『芸術の運命』『自由人の立場』など。