
小林秀雄 著
A5判・上製・280頁
定価5,040円(本体4,800円+税)
ISBN978-4-284-10230-8
2010年3月
有効に確実に行動せんが為に、私達生物が自然に適応した結果、知性は現れたに相違ない。有効に行動する為に予見する事、これが知性の目的であり、質を量に置き代へ、連続を不連続に還元する知性の性質もこの必要から当然生れてくる。 「Ⅳ 私の人生観」より
【目次】
Ⅰ「罪と罰」について ドストエフスキイ七十五年祭に於ける講演
Ⅱ私小説論 ニイチェ雑感 チェーホフ
Ⅲモオツァルト ゴッホ展に際しての講演 雪舟 真贋 金閣燃亡
Ⅳ私の人生観 西行 実朝 中原中也の思ひ出 蓄音機 スポーツ
年譜
【著者略歴】
小林 秀雄 (こばやし ひでお)
文芸評論家。1902〜1983年。東京都生まれ。東京帝国大学仏文科卒業。在学中、富永太郎、中原中也、河上徹太郎、大岡昇平らと交遊するとともに、ランボー、ボードレール、ヴァレリーらの思想に大きな影響を受ける。1929年『様々なる意匠』が認められ、時代の流行に抗して文学の原質を探る評論家として活躍。以降、精神と現実とが衝突する場面で織りなされる知性について追求する。著作に『無常といふ事』『考へるヒント』『本居宣長』など。