
小泉信三 著
A5判・上製・284頁
定価5,040円(本体4,800円+税)
ISBN978-4-284-10239-1
2010年5月
悠久なる未来における世界史の果ての状態が、果たしてどのやうなものであるか。それについて私は、いま格別の興味を持つことができない。私の関心はそれよりもはるかに手前の現実世界……において、いかにして今日を昨日よりも、明日を今日よりもよくするかに終始する。 「Ⅱ 改良と革命」より
【目次】
Ⅰ
マルクシズム概観 平和論 共産主義とソ連国家主義
世界の明日明後日 内外の平和
Ⅱ
自信ある国民 日本国民の自尊心 暴力に対する剛毅の精神
改良と革命 人類の進歩 独立の気力と遵法の精神
徳教のこと 新聞の専制 雑誌文化の特性
Ⅲ
学問の進歩 学問・芸術・運動競技(学生の為めに)
アメリカの大学生活
Ⅳ
読書論 読書を勧む(学生の為めに)
読書と文章(年少学生の為めに) 我が愛読書
学問のすすめ
Ⅴ
福沢先生の青年時代 森外と社会思想
理論家漱石 水上滝太郎の文学と実業 文学者と経済学
二人の経済学者(キャナンとデイィツェル) 人物論五題
Ⅵ西洋風俗 旅中雑感 伯林の記憶 台湾所見
Ⅶ
わが人となりし家庭 父と子 好きなものと嫌ひなもの
孤独の時間 人間愛・鳥獣愛 庶民の食物 秋日所感
私の横浜時代 軽井沢
年譜
【著者略歴】
小泉 信三 (こいずみ しんぞう)
経済学者、教育者。1888〜1966年。東京都生まれ。1910年慶應義塾大学部政治科卒業。英・独留学ののち、1916年同大学部教授となり、経済原論や社会思想史を講ずるとともに、リカードーなどイギリス古典学派を研究。1933年同大塾長、近代経済学の日本への普及に努めた。また、戦後は皇太子明仁の教育と皇室の近代化に尽くした。1959年年文化勲章。著作に『リカアドオ研究』『共産主義批判の常識』など。