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  賀川豊彦 著

  A5判・上製・288頁
  定価5,040円(本体4,800円+税)

  ISBN978-4-284-10269-8
  2010年12月

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人間にとっては、生きること、強く生きることが、第一の仕事である。相対の世界に置かれている以上、他人の考えがすべてわかろう道理もなし、全能者でない以上、世界の組立てがすべてわかろう筈もない。しかし強く生きることによって、過去を振り返って見ると、だんだん賢くなっているとも考えられる。   「表現の世界 疑問と信仰との境界線」より

【目次】

一粒の麦
 どうして神を発見するか  本然への信仰  宗教についての対話
 実在の実在・価値の価値  「我」の神 神と運命 一粒の麦
 死  魂と光明  宗教の永遠性  宗教とパン問題  神と科学
 現代人と信仰  虚無と救いとの関係  生命芸術としての宗教
 神の芸術としての世界  ナザレの一時間  十字架
 イエスと魂との対話  釈迦と孔子とキリスト  仏教の神々
 九つの幸福  往生思想  肯定と大乗思想

表現の世界
 生命と物質  スフィンクスとの対話  表現の世界
 疑問と信仰との境界線  永遠の否定から永遠の肯定へ
 認識論についての瞑想  物質に対する新しい考え方
 物資の彼方への信号  新理想主義  虚無主義者の矛盾
 自力も他力である  キリスト主義とマルクス主義
 死線を越えての境地  燃焼した生は死を知らず
 生命の運行  死と記憶  地球を墳墓として  悪の問題
 常識による環境の支配  悲哀を貫いて進め  放浪民族の運命

黙想断片
 朝  禅の単純生活  黙想断片  静思断片  禅と遊戯
 茶道  雀の葬式  昆布の囁き  赤ん坊の頬ぺた
 愛の遊戯  星より星への通路  夫婦の苦悶の跡 貧民窟と私
 貧民窟の二疊敷より  貧民窟十年  失われた自然
 土俗的伝統と生命宗教  雷鳥の目醒むる前  飛翔と沈港
 黎明を呼び醒ませ  冥想の蔭より  死線を越えて踊る
 物質を凝視する瞬間  深夜の祈祷  菜食主義と簡易生活

愛の科学
 愛の創成  愛と運命  愛と科学  愛と芸術  愛と性慾
 愛と恋愛  愛と結婚

自然が芸術となるまで
 自然が芸術となるまで  民衆芸術について
 田園文学について  「死線を越えて」を書いた動機
 「良人の自由」の感想  懺悔僧としての徳富蘆花
 徳富蘆花氏との思い出  魂と魂の接吻  ヴァチカン見物
 ウィッテンベルヒ訪問  ウェストミンスターの墓場
 カペナウムの朝  武蔵野の魂の記録

年譜
 

【著者略歴】

賀川 豊彦 (かがわ とよひこ)

キリスト教社会運動家、伝道者。1888〜1960年。兵庫県生まれ。不遇な家庭環境と病身の苦難の中でキリスト教信仰に入り、1911神戸神学校卒業。プリンストン大学留学を経て、帰国後友愛会に参加。労働組合運動、農民運動、平和運動に先駆者的な役割を果たす。戦後、貴族院議員となり、日本社会党結成、世界連邦運動に参加した。著作に『死線を越えて』『一粒の麦』など。

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