大内兵衛 著
A5判・上製・296頁
定価5,040円(本体4,800円+税)
ISBN978-4-284-10271-1
2010年12月
学問とは、社会の理、物象の理、経済の理、道徳の理をつきつめることである。新しいことばでいえば、真理の探究である。もう一度、この句を解釈しよう。いかにしてわれわれは、われわれの心を正しくすることができるか。 「Ⅱ 大学の意義(入学生に与う)」より
【目次】
Ⅰ
永久平和の条件(第三勢力論)
日米関係の将来(ライシャワー博士の見解)
賠償問題は厳粛
Ⅱ
日本における学問の黎明(『蘭学事始』物語)
学問と思想の自由のために(福沢諭吉によせて)
日本の独立と私学の任務 万古を照らす真理の炬火
大学の意義(入学生に与う)
大学と社会(巣立つ人々に)
Ⅲ私の信条 兵衛の上京 イエスとノー 歌われない国民歌
Ⅳ
何のために経済学を学んだか(東大における終講のことば)
如何にして生活を改善すべきか
ジェームス・ワットとアダム・スミス
ジョン・スチュアート・ミル
Ⅴ
学生時代の読書についての回想
唯物史観の黎明を踏める足跡(櫛田民蔵氏の『唯物史観 』を読む)
『ケーべル先生とともに』を読む
“大オキナ”の正体(長谷川如是閑『ある心の自叙伝)
『真知子』の場合
Ⅵ京洛の春 平和の群像 スイス紀行 帽子について
Ⅶ厨川先生の片影 櫛田民蔵の生涯と業績 求道の戦士河上肇
年譜
【著者略歴】
大内 兵衛 (おおうち ひょうえ)
経済学者。1888〜1980年。兵庫県生まれ。東京帝国大学経済学部卒業。大蔵省勤務、ドイツ留学を経て、1923年東京帝国大学教授。財政学を講じ、門下から多くの学者を輩出、日本のマルクス経済学の一大山脈をかたちづくる。1950年より法政大学総長。向坂逸郎と共に社会主義協会・社会党左派の理論的指導者でもあった。著作に『財政学大綱』『経済学五十年』訳書に『女性の解放』など。