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  古谷綱武 著

  A5判・上製・284頁
  定価5,040円(本体4,800円+税)

  ISBN978-4-284-10273-5
  2010年12月

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人類の歴史の長い過去と遠い未来を生きてきた、また未来のなかに生きていくであろう、それこそ天文学的数字をもってかぞえなければならないほどの無数の人類のなかに、……私というこの私自身は、永遠に一人しかいない。私は永遠にかけがえのない私なのである。  「生きるということ 私について」より

【目次】

自分を生きる
 とびらのことば  気の小さい私について
 働いて食べていく自信がなかった  弟や妹に劣等感をいだく
 新しい友だちからのしげき  芸術家へのあこがれ
 若い文学者たちに近づく  左傾できなかったひけめとおそれ
 悩みがないことを悩む  自分を生きていく決心
 劣等感のしげきから逃げる  暴力や腕力への恐怖心
 年をとっていることの劣等感

生きるということ 私について  生きるということ  運と不運について  人間らしい生き方

恋愛と結婚
 日本のすがた  環境の現実  親と結婚  嫁の身の上
 妻の寝すがた  結婚の目的  親が干渉するわけ  夫婦の生活
 夫の生き方・妻の生き方  悪意のない悲劇  結婚へのしたく
 社会と家庭  妻の勉強  対等な生活  ある学生

どう暮したらよいか
 くらしのあじわい  くらしとすまい  夫を主人と呼ぶ家
 生活のなかの夫婦  くらしと労働  新しい食卓
 体面のための形式  生活合理化の問題

作家論
 火野葦平  武者小路実篤  石川達三  吉屋信子
 堀辰雄  横光利一  小川未明

年譜
 

【著者略歴】

古谷 綱武 (ふるや つなたけ)

評論家。1908〜1948年。ベルギー生まれ。成城高校中退。早くから谷川徹三に師事する。大岡昇平、中原中也、河上徹太郎らと同人誌「白痴群」を創刊、文芸評論家として筆をふるう。その後は、新感覚派以後の作家のモラルを論じる評論家の道を歩んだ。戦後は女性論、人生論、児童文学論の分野を開拓し盛名を馳せる。著作に『女性のために』『児童文学の手帖』『才能と誠実』など。

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