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紺野 祐・走井洋一・小池孝範・清多英羽・奥井現理 著

A5判・並製・188頁
定価1,995円(本体1,900円+税)

ISBN978-4-284-10286-5
2011年2月

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学校はこの社会で実際どのような役割を担っているのか? 子どもたちはその場で何を学んでいるのか? その学びは人間形成にどのように結びつくのか? そもそもなぜ「教育」という営みがあるのか? 本書は教育の「現在」をみつめなおすために、これまでの子ども、教育、そして学校に対する見方を再検討し、教育と人間形成の現実的な意味や可能性を模索する。今回、新学習指導要領等にあわせ、内容を大幅に改訂。教育一般および学校教育についてのスタンダードを、必要最小限のものに絞り、できるだけアプローチしやすいかたちでまとめている。教職をめざす学生はもちろん、教育に関心があるすべての人に、教育の原理を根本から考えるきっかけを提供する必読書!

【目次】

はしがき

序章 教育に関する〈ことば〉―その概念の規定
 1 「教育」
 2 「学校」
 3 「人間形成」
〈コラム〉子ども? 子供? こども?

第1章 「ホモ・エドゥカンドゥス」の来歴
 1 「教育」の見方と「子ども」観
 2 「生まれながらに善いもの」とする子ども観とその教育
 3 「生まれつき善くないもの」とする子ども観とその教育
 4 ホモ・エドゥカンドゥス(homo educandus)としての子ども
〈コラム〉タブラ・ラサの子ども観とその教育

第2章 〈学校〉の誕生と「ホモ・エドゥカンドゥス」の論理の内在化
 1 〈学校〉の誕生以前
 2 〈学校〉の誕生の背景と公教育の構想
 3 〈学校〉の誕生と「ホモ・エドゥカンドゥス」の内在化
〈コラム〉寺子屋とはどのようなところだったのか?

第3章 公教育の黎明と受容過程―日本の学校教育(1)
 1 義務教育制度の始まり
 2 公教育制度の発展
 3 第一次・第二次世界大戦時の公教育
〈コラム〉教員養成・教員免許制度の黎明と教員免許更新制度

第4章 教育改革の動向と背景―日本の学校教育(2)
 1 終戦直後期の教育制度・教育課程
 2 経済復興・成長期の教育制度・教育課程
 3 生涯学習時代における教育制度・教育課程
 4 新しい教育の試み
〈コラム〉「○○審議会」や「○○会議」

第5章 生徒指導と教員とをめぐる現在
はじめに
 1 体罰
 2 学級崩壊―「学級がうまく機能しない状況」―
 3 いじめ
 4 不登校
 5 モンスターペアレント
 6 教員に求められる資質・能力
〈コラム〉ネット社会と生徒指導

第6章 「ホモ・エドゥカンドゥス」の現実
 1 さまざまな人間形成
 2 「学び」の機能と意味
 3 文化と人間形成
 4 社会性と人間形成
〈コラム〉「野生児の記録」から何を学ぶことができるか?

第7章 子ども・教師・教育的関係
 1 教育という営みとその限界
 2 教師―子ども関係というアポリア
 3 受苦的存在としての子どもと環境としての教師
〈コラム〉子どもたちの「レジリエンス」

第8章 教えること・「ホモ・エドゥカンス」・公の教育
 1 「教えること」の基礎的な条件
 2 人間の教え行為の特質
 3 ホモ・ドケンス(教えるヒト)
 4 教えから「公」の教育へ

図出典一覧
参照資料 教育に関する法規など
索引


【著者略歴】

紺野 祐 (こんの ゆう)
昭和42年生まれ
東北大学大学院教育学研究科博士後期課程 修了
秋田大学教育文化学部 准教授

走井 洋一 (はしりい よういち)
昭和45年生まれ
東北大学大学院教育学研究科博士後期課程 単位取得退学
東京家政大学家政学部 准教授

小池 孝範 (こいけ たかのり)
昭和48年生まれ
東北大学大学院教育学研究科博士後期課程 修了
秋田県立大学総合科学教育研究センター 准教授

清多 英羽 (せた ひでは)
昭和48年生まれ
東北大学大学院教育学研究科博士後期課程 単位取得退学
青森中央短期大学幼児保育学科 専任講師

奥井 現理 (おくい げんり)
昭和49年生まれ
東北大学大学院教育学研究科博士後期課程 単位取得退学
飯田女子短期大学家政学科 准教授

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