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西尾 理 著

A5判・上製・528頁
定価7,140円(本体6,800円+税)

ISBN978-4-284-10327-5
2011年7月

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2012年 日本学校教育学会学会賞 受賞

戦後日本の平和教育の思想と実践を歴史的かつ包括的に網羅・分析!
独自の教材開発と学校カリキュラムを提案!

本書は、平和教育が時の政治状況から自立し、学校教育の中で確固たる位置を占めること、さらには平和教育の体系化を図り、平和教育学として発展することをめざして、戦後日本における平和教育を鳥瞰し、それを踏まえた教材開発とそのカリキュラム化を提言するものである。 民教連の平和教育と国際理解教育や開発教育の融合、研究論文やエッセイだけでなく、実践記録にも踏み込んだ実証的な分析、人権を観点とした平和教育の分類・体系化など、これまでにない新しいアプローチに挑んだ画期的労作!

【目次】

序章 本書の目的と構成

第Ⅰ部 戦後日本における平和教育論の分析

第1章 戦後日本の平和教育論と体系化への試み
 第1節 佐貫浩の平和教育論
 第2節 森田俊男の平和教育論
 第3節 平和教育の体系化の試み
      ――藤井敏彦,岡本三夫,村上登司文の平和教育論
 第4節 日本教育学会における平和教育

第2章 戦後日本の平和教育実践の分析
 第1節 日教組全国教研における平和教育実践の分析
 第2節 『歴史地理教育』における平和教育実践の分析
 第3節 『未来をひらく教育』における平和教育実践の分析
 第4節 日本の国際理解教育における平和教育の分析
 第5節 戦後日本の平和教育実践の特徴と課題

第3章 平和教育において平和をどう捉えるか 
 第1節 平和教育における平和概念
 第2節 平和教育において人権をどう捉えるか
 第3節 平和教育における人権と国家の関係
 第4節 人権を観点とした平和教育のカリキュラムと教材をどう構想するか

第Ⅱ部 平和教育教材開発の実際

第4章 平和教育教材開発一試案
 第1節 平和教育の教材開発に向けて
 第2節 冷戦とその後の世界
 第3節 国家を考える――ユーゴ内戦と人道的介入
 第4節 戦場における兵士に着目した平和教育
 第5節 日本の平和・世界の平和
 第6節 平和主義――国際政治の視点から
 第7節 現代の核兵器と軍産複合体制
 第8節 平和の方法――人類は今まで,どういう平和の方法を採ってきたか
 第9節 君の心が戦争を起こす――ヒトラーの場合
 第10節 じゃぱゆきさん物語――構造的暴力と平和
 第11節 平和教育教材のカリキュラム化

第5章 総括――成果と課題

参考文献
あとがき
索引


【著者略歴】

西尾 理 (にしお おさむ)

1959年,東京都生まれ
1984年,横浜市立大学文理学部文科国際関係課程卒業
2004年,上越教育大学大学院学校教育研究科修士課程修了
2010年,兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科博士課程修了。博士(学校教育学)
神奈川県立横須賀大津高等学校,東京都立代々木高等学校(三部制),東京都立小平西高等学校教諭,東京都立六郷工科高等学校,東京都立小金井工業高等学校を経て,現在,東京都立国分寺高等学校教諭,埼玉学園大学講師

著書 『キミの悩みに乾杯! 教師が描いた素顔の高校生』(共著)毎日新聞社,1999年
    『教員の養成・免許・採用・研修』(共著)教育開発研究所,2008年 ほか
論文 「人権を観点とした平和教育に関する一考察」『学校教育研究』第22号,2007年 ほか

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