上野美子 著
A5判・上製・256頁
定価5,040円（本体4,800円＋税）
ISBN978-4-284-10328-2 2011年7月
英国ルネサンス文学の研究者が贈る多彩な物語のタペストリー！
第Ⅰ部では、『ハムレット』『リア王』、シェイクスピアの伝記を取りあげ、伝統的な研究と最前線の批評との融合を試みる。第Ⅱ部では、エリザベス1世やルネサンスの女性作家の先駆者たちに光を当て、18世紀英国の舞台を席巻したスザナ・セントリーヴァについて、我が国で初めて本格的に論じる。第Ⅲ部では、ロビン・フッド伝説の変容を概観したうえで、日本における受容や歌舞伎との関わりを考察する。広い視野から自在に紡ぎ出された本書は、物語の斬新な読みを読者に提供する。
【目次】
はじめに
第I部 シェイクスピア
『ハムレット』をめぐるパロディ
シェイクスピアの新世紀―反復と生成―
シェイクスピアの生涯
Three Gertrudes―Text and Subtext―
A Double Perspective in Antony and Cleopatra
第II部 華々しい女性たち
ケニルワース城からの便り
刺繍とペン―エリザベス一世、スコットランド女王メアリ、ハードウィックのベス―
蘇るルネサンスの女性たち
スザナ・セントリーヴァの世界―上演史から歌舞伎の翻案まで―
第Ⅲ部 ロビン・フッド
シャーウッドの森を訪ねて
ロビン・フッド伝説の物語性
Robin Hood Plays and Pastoral
―Two Huntingdon Plays and The Sad Shepherd―
Robin Hood in Japan
Male Cross-Dressing in Kabuki―Benten the Thief―
初出一覧
【著者略歴】
上野 美子 （うえの よしこ）
1939年兵庫県生まれ。1962年東京女子大学文理学部卒業。1964年東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。1993年東京大学より学位取得（博士・文学）。1972-73年ウォーリック大学、1993-94年ロンドン大学（バークベック・カレッジ）、99-2000年コロンビア大学留学。1967年東京都立大学人文学部専任講師、以後助教授、教授を歴任。現在、東京都立大学名誉教授。
著書：『ロビン・フッド伝説』研究社出版（1988）、『シェイクスピアの織物』 研究社出版（1992）『ロビン・フッド物語』 岩波書店（1998）。
編著書：“Hamlet” and Japan （英文論文集）、New York: AMS Press （1995）、『シェイクスピア大全』CD-ROM版、新潮社（2003）。
訳書：ニール・ローズ著『エリザベス朝のグロテスク―シェイクスピア劇の土壌』平凡社（1989）、『ハードウィック館のベス―シェイクスピア時代のある女性像』松柏社（2004）。
その他、共著、共編著多数。
