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  真銅正宏 著

  四六判・上製・304頁
  定価2,940円(本体2,800円+税)

  ISBN978-4-284-10352-7
  2011年12月

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近代における日本人のイタリア体験の実態!

本書は、明治・大正・昭和戦前期にあらゆる職業や立場でイタリアに渡った日本人たちの西洋へのまなざしを、紀行文・旅行記を通じて総合的に探究したものである。イタリアは高い精神文化を持つ国であるが、多くの日本人たちは、留学ではなく観光目的でこの地を訪れた。この近代日本における西洋文化受容の非実学的特性こそが、現代に至るイタリア・イメージの原像である。また、イタリアに渡った日本人に縁のある観光スポットやホテル、旅行社やガイドなどに関する多数の資料は、近代日本が初めて触れた西洋文化を追体験させてくれるはずである。

【目次】

はじめに

第一部 イタリア諸都市を歴訪する日本人たちの足跡

第一章 文学者の表現 夏目漱石・桜井鴎村・柳沢 健・横光利一・野上弥生子・ツアーという性格

第二章 実業家の興味 大谷嘉兵衛・山本博一・石田美喜蔵・石津作次郎・赤松治郎・渡辺良助

第三章 官僚と政治家の視察 下村海南・佐竹義文・守屋栄夫・塚田秀男・山桝儀重・尾崎行雄・鶴見祐輔

第四章 女性の視線 馬郡沙河子・市河晴子・深尾須磨子・野上弥生子

第五章 画家たちの描写 石井柏亭・岡田泰祥・矢崎千代二・八木彩霞・三宅克己

第六章 学者の観察 黒板勝美・大類 伸・安倍能成・金子健二・伊藤正雄・亀高徳平

第七章 観光案内の記述 山田寅之助・馬郡健次郎・瀧本二郎・谷川 博

第八章 世界一周旅行記の中のイタリア 石川周行・木下乙市・吉野藤一郎

第二部 イタリア諸都市の観光スポット今昔

第一章 日本人が訪れた観光スポット
 ジェノバ・ミラノ・トリノ・ヴェローナ・ヴェニス・フィレンツェ・ピサ・
 シエナ・ローマ・チヴォリ・ナポリ・カプリ島・ポンペイ・シチリア

第二章 日本人が宿泊したホテル
 ジェノバ(ジェノア)・ミラノ(ミラン)・トリノ(チューリン)・ヴェローナ・
 ヴェニス(ヴェネチア)・ボローニャ・フィレンツェ(フロレンス)・ピサ・
 アレッツォ・シエナ・ローマ・ペルージャ・アッシジ・チヴォリ・
 ナポリ(ネープルス)・カプリ島・ポンペイ・アマルフィ・パレルモ・
 ジルジェンチ(アグリジェント)・シラクサ

第三章 日本人が見て、食べて、飲んだイタリア
 西洋文化の移入と食べ物・イタリアの料理店・ブイヤベースと海老料理・
 スパゲッティとリゾットとピッツァ・料理イメージの踏襲・珈琲とワイン・
 味の表現と記号学

第四章 日本人が頼った旅行社およびガイド、作品
 トーマス・クック社・下位春吉・アントニオ・ベデカーの案内書・ゲーテ
 『伊太利紀行』・アンデルセン作、森外訳『即興詩人』

日本人のイタリア旅行記一覧

あとがき

【著者略歴】

真銅 正宏 (しんどう まさひろ)

1962年 大阪府生まれ
神戸大学大学院文化学研究科(博士課程)単位取得退学
1992年 徳島大学総合科学部専任講師、1994年 同助教授
1995年 同志社大学文学部助教授を経て、2001年4月より 同教授
著書:『永井荷風・音楽の流れる空間』世界思想社、1997年/『言語都市・上海』共編著、藤原書店、1999年/『ベストセラーのゆくえ』輪林書房、2000年など

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