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若杉英治 著

A5判・上製・184頁
定価3,990円(本体3,800円+税)

ISBN978-4-284-10364-0
2012年5月

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国際比較研究により行政と市民との関係性を解明する先駆的研究!

近年、環境美化や市民の安全で快適な生活を脅かす問題への対策として、行政と市民との協働による取り組みが盛んに行われるようになってきた。本書は、日本の大分市、アメリカのフェニックス市、中国の武漢市において実施されている協働型事業を具体的事例として取り上げ、市民へのアンケートやインタビューから、ブール代数アプローチにより日本の独自性や他国との類似性を分析する。これまでになかった視点の研究から、日本における行政と市民との協働のあり方を示唆する。

【目次】

はじめに

序 章 行政と市民との協働が生まれた背景と日米中比較の意義
第1節 日米中において行政と市民との協働が生まれた背景
第2節 協働型事業の日米中比較の意義

第1章 行政と市民との協働に関する諸概念
第1節 協働の定義と協働型事業  第2節 行政と市民  第3節 地域組織
第4節 環境美化活動

第2章 行政と市民との協働論の展開
第1節 日本における行政と市民との協働論
第2節 諸外国における行政と市民との協働論
第3節 行政と市民との協働を分析する視点―主体性と組織化

第3章 行政と市民との関係性の実証分析
第1節 仮説の設定  第2節 行政と市民との協働に影響を与える要因
第3節  アンケートおよびインタビュー調査
第4節  ブール代数アプローチによる分析  第5節  事例の選定

第4章  協働型事業の日米中比較
第1節 大分市路上違反広告物除却推進員制度
第2節 フェニックス市落書き・違反広告物除去プログラム
第3節 武漢市門前三包責任制度

第5章 諸要因の日米中比較第1節 法制度の比較  第2節 行政組織の比較  第3節 地域組織の比較

第6章 市民の協働意識の日米中比較
第1節 日本における市民の協働意識
第2節 アメリカにおける市民の協働意識
第3節 中国における市民の協働意識
第4節 日米中の市民の協働意識の特徴

第7章 日米中の協働型事業の特徴と成立要因 
第1節 協働型事業の主体性と組織化の判断基準
第2節 主体性と組織化に関する判断基準による分析
第3 節 諸要因に関するブール代数アプローチによる分析

終 章 結論―日米中比較を通じて 
第1節 日米中の協働型事業の特徴は何か
第2節 協働型事業を成立させる要因は何か 
第3節 行政と市民との協働の類型化と今後の課題

附録1−1 日本におけるアンケート対象実施主体一覧 
附録1−2 日本における調査票 
附録1−3 日本における調査結果の集計 
附録2−1 アメリカにおけるアンケート対象実施主体一覧 
附録2−2 アメリカにおける調査票 
附録2−3 アメリカにおける調査結果の集計 
附録3−1 中国における調査票 
附録3−2 中国における調査結果の集計 
附録4 アメリカと中国におけるインタビュー調査

初出一覧参考文献

おわりに

【著者略歴】
若杉 英治 (わかすぎ えいじ)
1961年 大分県生まれ
2000〜2002年 中国遼寧省営口振興大学にて青年海外協力隊日本語教師
2005年 日本福祉大学大学院国際社会開発研究科修士課程修了。修士(開発学)
2011年 大分大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)
現 在  大分市役所福祉保健部生活福祉課生活福祉東部事務所主査

主要論文・著書
「地方自治体による協働型事業の実施と市民参加」『都市社会研究』No.1(2009)
「協働型事業における行政と市民との関係性―ブール代数アプローチによる分析」『地方自治研究』Vol.25,No.1(2010)
「協働型事業における行政と市民との関係性―フェニックス市の『落書き・違反広告物除去プログラム』を事例として」『コミュニティ政策』第8号(2010)
「協働型事業における行政と市民との関係性に関する日中比較」『日中社会学研究』第18号(2010)ほか

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