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貝塚茂樹 著

四六判・並製・208頁
定価(本体1,800円+税)

ISBN978-4-284-10368-8
2012年9月
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日本図書館協会選定図書

道徳の教科化は、国家による価値の押し付けなのか。それとも道徳教育再生の切り札なのか。道徳教育の新たな地平を拓くために、道徳の教科化について真摯に向き合うべき時が来ている。

本書は、修身科や教育勅語という歴史的な課題を、政治的イデオロギーを超えて本質的かつ冷静に分析する。また、他者とのつながり、愛国心・郷土愛、国旗・国歌、宗教的情操、スピリチュアリティなどをめぐる問題にも幅広く目配りすることにより、これからの道徳教育を取り扱うための指針を示す。

【目次】

はじめに

第Ⅰ部 「道徳の時間」をどう活性化させるか

「修身科=悪玉論」だけでは何も解決しない
修身科は今も清算されてはいない
急がれる「教育勅語後遺症」の克服
何が「道徳の時間」を形骸化させているのか
徳目を「教える」ことが道徳教育の基本である
「他者」とのつながりを解体した戦後社会と教育
「愛国心」を論じない道徳教育はありえない
崩れかけている「郷土愛」と「愛国心」の関係
「国旗・国歌」とは国家論の問題である
道徳の「教科化」の論議を盛り上げよう
道徳の「教科化」を提案する

第Ⅱ部 「生命に対する畏敬の念」をどう育てるか

何が宗教教育を「タブー視」させてきたのか
錯綜する「宗教的情操」と「生命に対する畏敬」の関係
スピリチュアリティと道徳教育
「死者への視線」を欠いた「生命に対する畏敬の念」
補論 中学校道徳の読み物資料と「畏敬の念」
補論 戦後道徳教育史の中の「宗教的情操」と「生命に対する畏敬」

おわりに


【著者略歴】

貝塚 茂樹 (かいづか しげき)

1963年 茨城県生まれ
1993年 筑波大学大学院博士課程教育学研究科単位取得退学
国立教育政策研究所主任研究官などを経て、現在、武蔵野大学文学部教授
博士(教育学)
日本教育史・道徳教育専攻

主要著書:
『戦後教育改革と道徳教育問題』(日本図書センター、2001年)
『戦後道徳教育文献資料集 全36巻・別冊3』(監修・別冊執筆) (日本図書センター、2003年〜2004年)
『戦後教育のなかの道徳・宗教〈増補版〉』(文化書房博文社、2006年)
『資料で読む戦後日本と愛国心 全3巻』(編集・解説執筆)(日本図書センター、2008年〜2009年)
『道徳教育の教科書』(学術出版会、2009年)
『教えることのすすめ――教師・道徳・愛国心』(明治図書出版、2010年」
『教育における「政治的中立」の誕生――「教育二法」成立過程の研究』(共著)(ミネルヴァ書房、2011年)

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