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  宮崎真素美 著

  A5判・上製・288頁
  定価5,040円(本体4,800円+税)

  ISBN978-4-284-10370-1
  2012年9月

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太平洋戦時下の詩を、日本の戦後詩を牽引した「荒地」派をめぐる新資料とともに考察した最新の成果!

これまでほとんど知られてこなかった若き「荒地」派を育んだ周縁の詩人たちと詩誌、「海ゆかば」や『愛国百人一首』など古典和歌との紐帯、戦時下におびただしく発行された戦意昂揚詩集の調査などから、敗戦後までの文芸言語の様態を照らす。「荒地」派の揺籃期を支えた八王子の文化サロンを知る人々の貴重なインタビュー記録、同サロンで刊行されていた回覧誌の影印ほか、「愛知一中予科練総蹶起事件」を身近に経験した名古屋の戦時下教育を伝えるインタビューを収載。

【目次】

戦後詩へ――時を渡った「蝶」のこと
八王子の「蝶」――戦時下の若き詩人たち
戦時下のロマンティシズム――詩誌「故園」をめぐる世界
三好豊一郎――肉体に刻んだ荒地
夢のふるまい――眠らない詩人たち 
〈ふりむかぬ〉者と〈ふりかえる〉者――「海ゆかば」、防人歌から「橋上の人」へ
詩にあらわれた〈神〉たち――戦時下、そして戦後
帰還者たちの呼び声――一九四七年の〈姉さん〉
詩誌「蝶」をめぐる座談会
文字文化は〈命の泉〉――戦時下名古屋の女子教育 卒業生 長谷川文子氏に聞く
詩誌「蝶」影印
回覧誌「植物領」表紙再現画
初出一覧
ひらかれる「時」――あとがきにかえて
索 引

【著者略歴】

宮崎 真素美 (みやざき ますみ)

1964年 愛知県生まれ。1992年 筑波大学大学院博士課程文芸言語研究科単位取得満期退学。現在、愛知県立大学日本文化学部国語国文学科教授。博士(文学)。

著書:『鮎川信夫研究――精神の架橋』(日本図書センター、2002年)、『言葉の文明開化――継承と変容』(共著、学術出版会、2007年)ほか。

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