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川上泰彦 著

A5判・上製・304頁
定価(本体4,800円+税)

ISBN978-4-284-10383-1
2013年2月

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2013年 日本教育経営学会学術研究賞 受賞

公立学校における教員人事の構造を分析した初の研究書!

教員人事行政は自治体によって多様な運用が行われており、組織活動にも教員の労働意欲や能力形成にも大きな影響を及ぼしているが、その全体像が把握されることはなかった。そこで本書では、教員人事行政の持つ「多様性」に着目し、「どう多様なのか」「何に規定されているのか」「何に影響するのか」以上3つの問いに対して、全国的な学術調査の分析・考察を通じて、その答えを導き出す。また、公立学校教員の人事権をめぐる政策議論を行ううえでも、不可欠な知見を提示する。

【目次】

序 章 これまでの研究状況と全体の仮説 第1節 課題設定  第2節 これまでの研究状況と全体の仮説

第1部 教員人事システムの多様性

第1章 教員人事異動の制度と運用
 第1節 異動の範囲とサイクル  第2節 異動事務における分担関係
 第3節 まとめ――教員の「異動」をめぐる多様性      

第2章 昇進管理制度とその運用
 第1節 昇進管理制度の概況  第2節 昇進管理制度の運用例
 第3節 まとめ――教員の「昇進管理」をめぐる多様性

第2部 教員人事システムの規定要因

第3章 自治体の諸環境と教員人事行政
 第1節 人事異動の事務分担を規定する諸要因――計量分析
 第2節 人事異動のルールと動態を規定する諸要因――ケーススタディ
 第3節 まとめ――教員の「異動」を規定する諸要因 

第4章 昇進管理の制度定着過程 
 第1節 教委事務局と学校の人事交流
 第2節 人事交流の定着・拡大過程
 第3節 まとめ――継続的人事戦略による昇進パターンの定着

第5章 キャリアパターンの規定要因
 第1節 教員の昇進管理の特徴  第2節 各要因の検討
 第3節 事例研究  第4節 まとめ――教員の「昇進管理」を規定する諸要因

第3部 教員人事システムの相違がもたらす効果

第6章 教員人事システムと教育行政・学校経営
 第1節 学校教育における「境界関係」と「ネットワーク」
 第2節 紐帯の範囲とその種類  第3節 紐帯の密度
 第4節 まとめ――教員行政・学校経営における人事の影響力

第7章 教員人事システムと自治体教育政策
 第1節 自治体教育政策における「アクター間関係」と「制度」
 第2節 仮説と変数  第3節 分析
 第4節 まとめ――自治体教員政策における人事の影響力

終 章 全体の結論 第1節 本書で示された知見  第2節 今後の課題

参考文献

【著者略歴】

川上 泰彦 (かわかみ やすひこ)

1976年 兵庫県生まれ
2002年 東京大学大学院教育学研究科修士課程修了。修士(教育学)
2006年〜 東京大学大学院教育学研究科21世紀COE(基礎学力研究開発センター)特任研究員
2007年〜 佐賀大学文化教育学部講師
2009年 東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)
2010年〜 佐賀大学文化教育学部准教授
現在に至る

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