大学への文章学 ―コミュニケーション手段としてのレポート・小論文―

Watanabe2013.jpg  渡辺 哲司 著

  四六判・並製・188頁
  定価(本体1,600円+税)

  ISBN978-4-284-10396-1
  2013年5月

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レポート・小論文=コミュニケーション手段?! 「書けない問題」を自由に、広く、深く探究した意欲的な1冊!

レポートあるいは小論文をうまく書けないことは,今日,高校生から大学生へと移行しつつある人たちにとって学習上の一大問題である。本書では,その問題の実態や本質,原因やメカニズム,解決策などを,[コミュニケーション]というキーワードのもとで自由に,広く,深く探究した。いわゆる高大接続を真剣に考える教師たち,大学での学習に興味・不安や現実の困難を抱えている生徒・学生たち,そして日本の言語技術教育を憂える一般の人々に贈る。『「書くのが苦手」をみきわめる』(2010年)の続編。

 

 

【目次】

まえがき

序章 本書のねらい・前提および構成
 J-1 本書の論題(要するに言いたいこと)
 J-2 [コミュニケーション]に込めた意味
 J-3 レポート・小論文はコミュニケーション手段
 J-4 レポートと小論文は同じもの
 J-5 あくまでも,レポートと小論文は同じもの
 J-6 「書けない」のはコミュニケーションの不全
 J-7 [コミュニケーション]に発する本書の構成

T章 読みやすいレポート・小論文のつくり
 1-1 最初におさえる三つのポイント
 1-2 文章が構造をもつために
 1-3 “重点先行”を表すとは
 1-4 「論じなさい」といわれたら

U章 レポート・小論文をつくりだす技
 2-1 考えを文章化するツー・ステップ
 2-2 文章の基本単位はパラグラフ
 2-3 文章のまとまりとは
 2-4 論題を読者と自分のために
 2-5 どうやって問いを起こすか
 2-6 日頃の「友人の目」が役に立つ
 2-7 「友人の目」活用のポイント
 2-8 入学後にすすめたい「書き方」指南書

V章 学生が教師を知る:大学の先生とは
 3-1 なぜ大学教師を知らなければならないか
 3-2 どういう人か=研究者
 3-3 評価する先生の心理に合わせて
 3-4 まずは一人に向けて書く
 3-5 高校教師との違いを知るためには

W章 教師が学生を知る(一):苦手意識をみきわめる
 4-1 なぜ苦手意識をみきわめるのか
 4-2 苦手なのは誰か
 4-3 苦手とはどういう意味か
 4-4 苦手な人が示す症状
 4-5 苦手意識は過剰である
 4-6 どうして苦手になるのか
 4-7 「本を読まなかったから」は理由にならない

X章 教師が学生を知る(二):新入生が遭遇するレポート
 5-1 入学前のレポート執筆経験
 5-2 入学直後に受ける衝撃
 5-3 理系の「書く経験が少なかった」は本当だとして
 5-4 「理系のレポートは違う」に異議あり
 5-5 「よいレポートとは何か」はすでに知っている

Y章 読みごたえを求める教師のひと工夫
 6-1 出題と同時の説明
 6-2 説明の背後にある考え
 6-3 進んで「私」を語ろう

Z章 〈パラグラフ〉考――実用的な型の教え
 7-1 現代的なパラグラフのルーツと社会的意義
 7-2 パラグラフと段落の根深い相違
 7-3 パラグラフと段落の意外な接点
 7-4 なぜ国語教師はパラグラフの指導に冷淡か(一)
 7-5 なぜ国語教師はパラグラフの指導に冷淡か(二)

終章 高校までとのつながりが意識されない大学での学習――レポートを題材として
 【1】 大学は“勝手に”がんばっている
 【2】 新入生は「よいレポート」をすでに知っている
 【3】 新入生の「書いた経験がない」は誇大である
 【4】 高・大の教室にあってほしいもの
 【5】 私の活動――実のある高大接続をめざして

付録: 〈学校作文〉について

参考文献
 B-1 本書の支えとなってくれた本
 B-2 引用・参照した文献一覧

あとがき


【著者略歴】

渡辺 哲司 (わたなべ てつじ)

文部科学省初等中等教育局教科書調査官。1970年生まれ。東京大学教育学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。専門は発育・発達学(子どものからだ)。開成高等学校非常勤講師(保健体育),九州大学アドミッションセンター講師,同高等教育開発推進センター准教授を経て,現在に至る。高校生から大学生への移行にまつわる学習上の問題に関心を寄せている。『「書くのが苦手」をみきわめる』(2010年)は本書の姉妹編。