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  串田孫一 著

  四六判・上製・204頁 
  定価1,680円(本体1,600円+税)

  ISBN978-4-284-10234-6
  2010年3月

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日本図書館協会選定図書

健全で人間的な悩みを知ることの必要性を説き、その悩みを解決するヒントを与えることを目的としてつづられた素朴で心温まるエッセイ

  • 僕たちはまず第一に素直になることの必要を感じます。そして常に問題は持ちたいと思いますが、その問題を他人の作り出した思想であれこれと判断したり、つなぎ合せたりしてみる代りに、その問題自身を、幼い子どもの驚きを以って見詰ることに慣れたいと思います。  「序に代える手紙」より
  • 私どもは美しいものを発見したでしょうか。本当に美しいものを知っているのでしょうか。……人の心の美しさを知るにも、やはり特別な手段があるわけではありません。その美しさを受け入れる構えがありさえすればよいのです。  「美について」より
  • 僕たちの眼をあざむかないようなものは何かと言えば、自然以外にはないということになりましょう。自然は、植物にせよ昆虫にせよ、何一つ気取りもなく、何一つ隠しているものはありません。……その意味から言っても、僕たちが先ず見るべきものはこの自然であります。  「教養のために」より
     

【底本】

『ものの考え方―哲学以前―』 (要書房・1954年)
 

【目次】
序に代える手紙

考える楽しみ  疑いについて  哲学について
倫理学について  美について  宗教について
幸福について  快楽と苦悩について  運命について
孤独について  経験について  告白について
嘘について  感覚について  羨望について
嫉妬について  恐怖について  怒りについて
憎悪について  悲哀について  教養のために
世紀を代表する思想
―― 一九五〇年に、二十世紀の前半の思想を回顧すること――
西洋思想一覧

巻末に添える手紙
 

【著者略歴】

串田 孫一 (くしだ まごいち)

詩人、哲学者、随筆家。1915年11月12日〜2005年7月8日。
東京都生まれ。東京帝国大学哲学科卒業。1960年より東京外国語大学教授、同大学のほか國學院大学、武蔵野美術学校などで哲学を講じる。哲学・思想関係の著述だけではなく、登山家としての体験を踏まえた山の紀行・エッセイ、植物や気象などの自然界の観察結果を詩的な文体に記した自然随筆、さらには人生的思索を柔軟な筆致でつづった人生論・幸福論など、その執筆分野は多岐にわたる。初見靖一のペンネームを持つ。著作には、『愛の彷徨』(創文社・1952年)、『孤独なる日の歌』(創元社・1952年)、『羊飼の時計』(創元社・1953年)、『山のパンセ』(実業之日本社・1957年)などがある。

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