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小柳正司 著

A5判・上製・416頁
定価6,300円(本体6,000円+税)

ISBN978-4-284-10212-4
2010年3月

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20世紀を代表するアメリカの哲学者であり、教育思想家であるジョン・デューイ。本書はシカゴ大学時代の書簡の分析を通じて、デューイ実験学校の開設に至る経緯と、その背景にあった彼の教育学構想を明らかにし、師範教育から教育科学の確立へという時代の要請を踏まえたデューイの教師教育の取り組みを丹念にたどる。実践の内容とともに貴重な資料をあますところなく紹介した画期的な研究書!

【目次】

まえがき

第1章 シカゴ大学着任―1894年2月〜1894年12月―
 1.ミシガンからシカゴへ
 2.シカゴ大学着任
 3.実験学校の開設に向けて
 4.実験学校開設準備

第2章 実験学校の開始と最初の6ヶ月―1895年6月〜1896年6月―
 1.実験学校開設準備に向けて
 2.実験学校の授業実践上の基本方針
 3.フランク・マニー宛書簡と実験学校の最初の6ヶ月の実践

第3章 実験学校の開始から『学校と社会』の出版まで
     ―1896年〜1900年―
 1.実験学校開設当初の財政問題
 2.教育学科の整備拡充案
 3.1897-1898年度と1898-1899年度の実験学校をめぐる経過
 4.『学校と社会』と『小学校記録』の出版
 5.バルクリー准教授とヤング夫人

第4章 シカゴ学院の編入からデューイの教育学部長就任まで
     ―1901年〜1902年―
 1.シカゴ学院の編入
 2.シカゴ学院編入後の諸問題
 3.附属中等学校長としてのデューイの取り組み
 4.教育学部長への就任

第5章 シカゴ大学教育学部の組織改革―1902年〜1903年―
 1.教育学部の組織改革
 2.教員養成カリキュラムの改革
 3.教育学部の組織改革
4 .附属中等学校の再編

第6章 デューイとシカゴ大学教育学部教員団との対立
     ―1903年〜1904年―
 1.デューイと教育学部教員団との対立
 2.教育学部の運営をめぐる諸問題

第7章 ブレイン・ホールの完成と新教育学部の出発
     ―1903年10月〜1904年1月―
 1.ブレイン・ホールへの移転
 2.教員養成カリキュラムの諸問題
 3.ブレイン・ホール移転後の学部運営をめぐる諸問題

第8章 デューイのシカゴ大学辞職の経緯―1903年〜1904年―
 1.デューイのシカゴ大学辞職に関する先行研究
 2.辞職の経緯
 3.辞職の真相または深層
 4.シカゴとの別れ

あとがき

索引


【著者紹介】

小柳 正司 (こやなぎ まさし)

1953年 静岡県生まれ。1976年 東京教育大学教育学部卒業。1982年 名古屋大学大学院教育学研究科博士課程修了。1983年 名古屋大学教育学部助手。1989年 鹿児島大学教育学部助教授。2005年 米国ミズーリ大学セントルイス校客員研究員現在 鹿児島大学教育学部教授(教育学・教育思想)。

著書『教育哲学の諸問題』共著、名古屋大学出版会(1986)、『道徳形成の理論と実践』共著、樹村房(1993)、『教育哲学のすすめ』共著、ミネルヴァ書房(2003)、『人間学から福祉学を発見する』共著、あいり出版(2009)、『リテラシーの地平』単著、大学教育出版(2009)

主要論文「デューイにおける教育実践と教職の専門性」『日本デューイ学会紀要』第36号(1995)、「地域の自立的発展をめざす学校再生の思想」『鹿児島大学生涯学習研究教育センター紀要』第1号(2004)、「ポスト・コールバーグの道徳性発達理論と道徳教育」『鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要』第14巻(2004)など。

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